どうも!
ノリスケです。
私はYouTubeで朗読配信をしています。
今日は6月19日で、朗読の日だそうです。
久しぶりに小説を朗読しました。
今回の作品は、芥川龍之介(1892-1927)の1919(大正8)年の作品、『葱』です。
おれは締切日を明日に控えた今夜、一気呵成にこの小説を書こうと思う。いや、書こうと思うのではない。書かなければならなくなってしまったのである。
では何を書くかと云うと、――それは次の本文を読んで頂くよりほかに仕方はない。
このような書き出しで始まる、この短編小説の内容や、作者は何故この小説を書かなければならなくなったのか?何故「葱」というタイトルなのか?などについては、朗読を最後までお聴きいただくとして…
この小説は今から100年以上前の作品ですので、内容をより理解していただけることになればと思い、作品中に引用されている当時の人物について記しておきます。
メリイ・ピックフォオド(Mary Pickford、1892 - 1979)
カナダ・トロント出身の女優、プロデューサー。サイレント映画時代の大スターであり、「アメリカの恋人」と呼ばれて親しまれた。妹のロッティ・ピックフォードは女優、弟のジャック・ピックフォードは映画監督・プロデューサー。なお「メリー」ではなく「メアリー」の表記もよく使われる。
浪子夫人
明治31(1898)年から32年(1899年)にかけて國民新聞に掲載された徳冨蘆花の小説、不如帰の登場人物。
片岡中将の愛娘浪子は、実家の冷たい継母、横恋慕する千々岩、気むずかしい姑に苦しみながらも、海軍少尉川島武男男爵との幸福な結婚生活を送っていた。しかし武男が日清戦争へ出陣してしまった間に、浪子の結核を理由に離婚を強いられ、夫をしたいつつ死んでゆく。
不如帰は、のちに1900年1月出版されてベストセラーとなった。
家庭内の新旧思想の対立と軋轢、伝染病に対する社会的な知識など当時の一般大衆の興趣に合致し、広く読者を得た。
作中人物にはモデルが存在する。しかしベストセラーとなったが故に、当時小説がそのまま真実と信じた民衆によって、モデルとなった人物に事実無根の風評被害があった。
松井須磨子(まつい すまこ、1886- 1919)
日本の新劇女優、歌手。
「葱」作中の「さすらい」の歌とは、松井須磨子主演の劇団・芸術座の舞台劇『生ける屍』(大正6)の劇中歌として、北原白秋が書き下した「さすらいの唄」のことか。
鏑木清方(かぶらき きよかた、1878年 - 1972)
明治期から昭和期にかけての浮世絵師・日本画家・随筆家。なお、姓は「葱」作中では、「かぶらぎ」とのルビがあるが、「かぶらき」と読むのが正しい。
北村四海(きたむら しかい、1871 - 1927)
日本の彫刻家。1900年より留学のため渡仏し、パリに在住し同地で裸体像等の大理石を用いた西洋式彫刻を学んだ。1902年に帰国し、その後は大理石を用いた彫刻を製作し始めた。これによって日本でブロンズ像に対抗して、初の大理石による彫刻像を導入した事で名を馳せた。
ダグラス・フェアバンクス(Douglas Fairbanks、1883 - 1939)
アメリカ合衆国の俳優、脚本家、映画監督、映画プロデューサーである。息子のダグラス・フェアバンクスJr.も俳優。元妻に女優のメアリー・ピックフォードがいる。
森律子(もり りつこ、1890 - 1961)
日本の女優。最初期の女優。父は愛媛県松山出身の弁護士・衆議院議員の森肇。元代議士を父に持つお嬢様女優として話題を集め、喜劇を得意とした。
ぜひ、ご視聴ください。
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