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マイクグラサン

前回に引き続き、岡倉天心(1863-1913)の『茶の本』より、第一章『人情の碗』を朗読しました。

『茶の本』は、茶道を通して、日本の文化、美意識、精神性を欧米に紹介するため、1906年(明治39年)に岡倉天心がアメリカで英文により出版した書籍で、後に邦訳されました。


    

西洋人は、日本が平和な文芸にふけっていた間は、野蛮国と見なしていたものである。
しかるに満州の戦場に大々的殺戮を行ない始めてから文明国と呼んでいる。


    

西洋の諸君、われわれを種にどんなことでも言ってお楽しみなさい。アジアは返礼いたします。

東西両大陸が互いに奇警な批評を飛ばすことはやめにして、東西互いに得る利益によって、よし物がわかって来ないとしても、お互いにやわらかい気持ちになろうではないか。お互いに違った方面に向かって発展して来ているが、しかし互いに長短相補わない道理はない。
諸君は心の落ちつきを失ってまで膨張発展を遂げた。われわれは侵略に対しては弱い調和を創造した。

諸君は信ずることができますか、東洋はある点で西洋にまさっているということを!

第一章「人情の碗」を読んで、明治の時代に、台頭する西洋列強に対して、軍事や経済で対峙するのではなく、文化の面から、東西お互いの良きものを認め合い、仲良くしましょうと、卑屈になることなく世界に発信した岡倉天心の強い志にいたく感銘を受けました。