第2章|後腹膜脂肪肉腫[初回手術]
 
 

2022年2月19日
 

大きな手術を前に心配をしてくれる親族や友人。
入院中は”気持ち”だけで十分。
静かに見守っていてもらえると助かる。
  

 

 

 

入院・手術時にやって 欲しくないこと

 

相手の心遣いは本当に大変ありがたいこと。
しかし入院中は、手術とリハビリだけに集中したい。私たちの場合、できたら遠慮していただきたいと思うことは3つあった。

 

 

■ 病院に直接の電話

 

LINEやSNSで前もって連絡を取り合って、夫から折り返しの電話をする形にしてもらえると助かった。入院では「医師の回診」や「検査時間」に電話がかかってきて、「後で。」と説明しても理解してもらえず困った。

 

 

 

■ 入院中に自宅に宅配便

 

退院祝いを送りたいということで、退院日1~2日前にゆうパックを発送したとのこと。偶然だが、日本郵便の不在通知を装ったSNSが夫の携帯に届き、フィッシング詐欺に遭いそうになった。夫の判断力が著しく下がっていた時だったので、この方からの荷物が早く到着したと勘違い。出来たら退院し自宅に戻ってからの方が、他の家族が対応できるので判断を誤らずに済む。

 

 

 

■ 手術後の執刀医の説明(親族に対して)

 

手術は3時間半の予定だったが、想定外のことが起こった場合、手術時間が長時間に及ぶかもしれないということで、夫が息子夫婦にヘルプを出した。手術の待合い時間、息子のお嫁さんが、おしゃべりして気を紛らわせてくれようとした気持ちもありがたいと思う。

 

 

しかし、術後の執刀医からの説明は、夫と同居している妻である私を優先してほしかった。(夫の最後を看取るのは私だから。)今回の手術では長男の嫁が話を聞いた。(コロナ禍だったため説明を聞けるのは1名だけ)。

 

 

 

なぜ私が聞けなかったかの経緯。

「ここは私(嫁)に任せて、病院近く(10分位)にとったホテルで休んでいて下さい。」と言われたため。

「手術予定では3時間半。あと1時間程度なので一緒にお話ししましょう。」と言ったのだが、「ホテルで休んで下さい。」と強く言われ院外に促された形で病院を出て行った私の失態。出て行ったフリをして病院に戻ってくればよかった。

 

 

 

当日の手術で一番大事なのは術後の医師の説明で、「開腹してみないと分からない。」と言われた内容の結果は、執刀医も私に伝えたかったハズだ。手術直後なので医師の記憶も鮮明だ。この大事な説明を同居する家族が聞けなかったのは、一生忘れることができない悔しさだ。私が逆の立場だったらどうするだろう…と考えてみた。看護師さんに10~15分遅れても大丈夫かどうかを確認してそれがNGだった場合、はじめて自分が代行で聞いても良いかを聞くだろうな…と。

 

 

 

もし長男の嫁が医師の説明を代行して聞きたいのであれば、手術に至るまでの準備すべてに関わっていなければいけない。準備に全く関わっていない人が、医師の説明を聞くのは論外だと思う。相手の病気のこともよく知らないのに医師の説明を聞くことに「怖い」を感じなのだろうか。「過去に他の親族の時も話を聞いているので慣れていますから」と言われても病気が違う。話を聞くだけではダメなんだ…と言っても分からないだろうなー。勉強していないことに対して質問はできない。

 

 

お嫁さんがもし私の立場で、自分の夫(長男)が治療方法が確立されていない希少がんで、抗がん剤や放射線が使えない、切除することで延命していくしかない初回手術だとしたら? その手術結果を私が聞いて良い気持ちがするだろうか…。

 

 

 

医師にも看護師の人にも切除した”脂肪肉腫”をこの目で絶対に見てみたいと強く言っていたので、
術後の説明に私が来なかったことに驚いたようだ。今でも思い出すとツライ。2年経った今でも思い出すのと後悔。

 

 

 

夫の手術は「祭りのようなイベント」ではない。誰でも参加はないのだ。