上野にある鈴本演芸場に行って来ました。

 

鈴本演芸場は、初代龍助(1827-1910三代目仙之助)という人が安政4年(1857年)に上野広小路に「軍談本牧亭」という講談場を始めたのが母体となるそうで、今年で167年になります。

 

上野駅の不忍口から徒歩10分のところにある4階建てのビルで、2階に自動販売機、3階に285席の客席と売店、4階にトイレがあります。

入場料は一般3,000円、学生2,500円、小人1,500円で、昼夜二回公演で完全入れ替え制になっています。

昼の部は12時30分からで少し遅れて13時に着いたのですが、なんと満席で立ち見(座席の一番後ろで2,000円)でした。

 

 

東京・江戸落語界には、4つの協会(落語協会と落語芸術協会)と流派(落語立川流)と団体(五代目円楽一門会)があります。

古典落語に重点をおいている落語協会(会長:柳亭市馬、副会長:林家正蔵)、新作にも力を入れている落語芸術協会(会長:春風亭昇太、副会長:春風亭柳橋)、落語協会から離脱した立川流、同じく落語協会から分裂した円楽党という特徴があります。

 

その中の落語協会は、組織が誕生して2024年2月25日で百年を迎え、百年目に当たる一年間、種々のイベントを企画しているそうです。

鈴本演芸場の六月中席昼の部では、特別主任として上方落語界の重鎮である桂文枝が10日間出演します。

 

 

見に行った日の出演者では、春風亭一朝は何度か寄席で見ているのですが、相変わらずうまいです。

林家木久扇はテレビでしか見たことがなく、面白いと思っていなかったのですが、立川談志と田中角栄の選挙運動の話を物まねをしながらの話で、寄席となるとテレビと違って独自の話は旨く、笑わせてくれました。

桂文枝は子どもの宿題に四苦八苦する父親の話の創作落語「宿題」で、身近な話題を笑いにする話の内容や話し方はさすが文枝だと思いました。

 

今回、新たに発掘した面白いと思う噺家は、「林家彦いち」です。

1989年12月に初代林家木久蔵に入門し、2002年3月に真打に昇進し、主に新作落語を得意演目としているようです。

演目はヒマラヤからの出前の注文を受けたそば屋が出前をする創作話で、笑いっぱなしでした。

 

東京には、鈴本演芸場と新宿末廣亭(1897年創業で1946年再建)と浅草演芸ホール(1964年創業)と池袋演芸場(1951年創業で1993年再開場)の4軒の「寄席」があります。その他に、国立演芸場やお江戸日本橋亭(2024年1月から当面の期間ビル建て替え工事により休館)、お江戸上野広小路亭、お江戸両国亭、新宿永谷ホールの演芸場があります。

これで、鈴本演芸場と新宿末廣亭と浅草演芸ホールに行ったので、出演者を見ながら他のところにも行ってみようと思っています。