お盆中、夫の気配を一度も感じなかった(苦笑)
やっぱり帰って来た、のではなくいつも家にいるからだろう。
それも感じないけどね(笑)
夢にも現れないし、一体どこにいるのだろう。
お盆中は、夫の若い頃の事や息子との事などを思い出していた。
息子がまだ一歳になる前、夜泣きが酷くて毎晩泣いていた。
抱っこしても泣き止まず、そんな時は必ず夫が車に乗せて一回りしてくれた。
夫は仕事で疲れていても必ず夜泣きをする息子の面倒をみてくれた。
保育園の送り迎えもしてくれた。
大きくなっても親子というより、友達のようだった。
最初に覚えた言葉も、パパ(笑)
いつも父親の後を追っていた。
中学生になっても高校生になっても雨の日は車で自ら送っていった。
本当に仲の良い父子だった。
だから、父親が亡くなったあとの息子は憔悴しきって見ていられなかった。
何の話をしていたかは忘れたが、少しイライラしていた息子が、
オレも傷ついているんだ!と言った一言で、私はハッとした。
もう大人だから父親が亡くなっても事実を冷静に受け止めているのだろうと私は思っていた。
しかし、息子は私と同じように傷ついていたのだ。
私以上かもしれない。
亡くなってから、
親子でもあまり、父親の話はしなかった。
たとえ息子でも相手の気持ち、口に出している言葉の裏側、それを思い図るべきだった。
あれから7ヶ月が経つ。
今は息子は表向きは立ち直って普通にしている。
でも時々、玄関から外を見ている姿が寂しそうだ。
そう、玄関からは小学校の坂が見えて、その坂を下りてくる夫の姿を思い出しているのだろう。
いつもコンビニの帰りに坂を下りてきた夫。
私も息子も夫が帰ってくるまでは心配で、坂道に姿を表すとホッとした。
あの日、最後の入院となった日。
右足はすでに動かなかったが、左足はまだ大丈夫だったので、ベッドから降りて立とうとした瞬間、崩れ落ちた夫。
とうとう左足にもマヒが来てしまった。
病院に行こうとして、息子がオレの肩に掴まってと言ったが、重くて二人して崩れた。
腕を引っ張り、脚を引きずりようやく車に乗せた。
途中、息子の背中にもたれ掛かりおんぶのような姿を見たとき
息子が子供の頃にされていた事を、今は逆にしていると私は思った。
夫の眼には涙が滲んでいた。
病院に着き、車椅子に乗せるところまで息子はしてくれた。
大好きだった父親が自分の目の前で弱っていく。
いつも可愛がってくれた父親が立てなくなり自分の背中にもたれ掛かり泣いていた。
怒ったことなど一度もなく、いつも明るく自分を支えてくれた父。
二度と歩けない父親をどんな思いで見つめていたのだろう。
もう何もする術もなく、退院して訪問看護に託された夫。
息子は何も私には言わなかったが、常に父親の事を見てくれていた。
私が出掛けている時は何も言わずに夫に寄り添ってくれた。
飲み物を飲ませ口を拭いてくれた。
そして、最後の時、
私と息子とで、夫の手を握りその瞬間を迎えた。
私は、旅立ってしまった夫の唇にそっとキスをした。
夫は優しい人だったけど、息子も優しく育ってくれた。
お盆で来てくれた人が口を揃えて言ってくれた。
あいつは本当に優しかったよな!
そんな優しい夫、父親にいつも守られていた。
そう、だから私も息子も本当に幸せだった。
♪神様お願い あの人をかえしてよ
輝く夜空に 心を込めて詩(うた)を歌うから
どうぞ叶えてよ 夢だよね 離さないで
………
目を閉じているからそおっと くちづけをして欲しいよ
紫の羽をした蝶に 姿を変えても君だとわかる………
by julie