5月19日 大宮 22時00分 大雨

 

今晩は。。。

唐突に始まって終わった?3月末から始めた『音楽談義』。

アクセス数を見ると意外?と好評だったのが分かりました。決して終わったワケではなく、そしてネタもあるのですが、更新する為にはアレコレ考えがまとまっていないのです。中でも、大きなテーマを一つ考えてまして、これが自分で考えて勝手に始めたとは言え、かなり厄介でして。。。それが『レアグルーヴ』の再考を手持ちのレコードの価格変化で見て行くって言う。。。。

大変なんです、コレ。

手持ちのレアグルーヴ系レコードを相場と言う一つの切り口で順位付けする。高額=レアって切り口のみでフラットに見直した時に、何が見えるだろうか。。。みたいな音楽談義になんですが、まぁ、進みませんね。論じるには相場の確認と順位付けが必要なんですが、その順位付けを300位までに広げてしまった為に大変な作業になってしまって座礁しているのです。

 

今回の音楽談義は、そこまでの大ネタではありませんが、

『ヴァイナルの時代は来たのか????』です。

 

ネタもとのヒントはこの書籍です。

ダウン

 

『ヴァイナルの時代』マックス・プレジンスキー著

ディスクユニオンの書籍コーナーに平積みにされていて、パラパラめくった程度です。

なので書評はできません。

 

4月のレコードストアデイにちなんで公表された、数値と記事をご覧になった方もいるかと思いますが、下記に記しておきます。

ダウン

日本レコード協会

アナログレコードの2022年の年間生産額は43億3600万円。

1989年以来33年ぶりに40億円を超え、最も少なかった2010年の1億7千万円に比べて約25倍の数字となった。

 

全米レコード協会(RIAA)

アナログレコードの売上高は16年連続で増加し、2022年には売上枚数で1987年以来35年ぶりにCDを上回った。

 

コーヒー||||||||||コーヒー

 

さて、お題と数値を前提に、ココからが本題です。

 

皆さん、レコード買っていますか?

 

オイラはレコードを買うと言う行為を『釣り』に例えて『釣り上げ』と言っていますが、これは釣り好きの人たちの会話を聞いていて、その釣りで使われる言葉の意味合いが、まさにレコードを買うって行為そのまんまじゃないかと思った事に端を発しています。

そのオイラのレコード釣り上げ推移を人生って言うスパンで見てみると、こんな感じになります。自分の購入歴を通してヴァイナルが追いやられた経緯を見て行きましょう。因みにオイラは1965年=昭和40年生まれ。現在56歳です。

 

8歳から18歳まで~小学生から高三まで 月平均2~5枚程度

19歳から23歳まで~大学4年間 月平均5~10枚前後

24歳から29歳まで~最初の就職時代 月平均20~30枚程度

30歳から42歳まで~音楽業界時時代 月平均10~20枚程度

44歳から現在~音楽業界引退後 月平均5枚程度

 

CDが世に出たのは80年代初頭ですが、横浜の某大学に通っていた時代、石川町のタワレコはまだアナログレコードがメインでした。当時はCDは売り場の一部にカセットのような扱いで置かれている程度だったのに、ある日を境にって感じでCDの売り場に様変わりしたのが89年頃だったと記憶しています。タワレコ石川町店で85年のエブリシング・バット・ザ・ガール『LOVE NOT MONEY』のレコードにステッカーで英国旗のシールが貼られて売られていたのを今でも覚えていますし、スタカンの『アワ・フェイバリット・ショップ』は国内盤レコードを横浜SOGOに行く手前の地下の商店街にあった新星堂で普通に釣り上げたのを覚えているほどです。翌86年もハウスマーティンズの2作目はタワレコード石川町で釣り上げ。この時も売り場は、まだレコードがメイン。CDは角っこ。

 

米国のデータによれば、アナログとCDの売り上げが逆転したのが86年とありますが、86年の時点で日本ではCDがアナログレコードより売れていたとの実感と記憶がオイラにはありません。オイラの中では、ほぼ80年代はアナログの時代。それが80年代の終焉と共にCDへ。。。その境目を感じた中での記憶ではっきりと覚えているのがストーン・ローゼスです。

当時(89年)のオイラは新入社員として成田空港で地獄のようなシゴト場で働いていた時で、それでも兎に角、この作品を聴きたくてJR成田駅前のダイエーだったかに入っていたお店に買いに行ったのですが、その店はCDのみのお店で、それを不思議に思うような感じもなく行って買った記憶があるのです。何故、覚えているかと言えば、成田では、ストーンローゼスの扱いが????かと思う程の雑な扱いだったからです。新譜なのに面出しもされず普通に『S』だったか『サ』行だったかに1枚だけ入っていたのです。ロキオンなどでも盛り上がっていましたし、大々的に宣伝されているだろうと意気揚々とお店に向かうも、肩透かしって感じで、ない??のかもと思ったほどです。この時の売り場のCDの棚から見つけた時の複雑な心境まで覚えているほどなのですが、CDだけの売り場に違和感のある記憶が全くないのです。

となると、88年末ぐらいから一気にCDへ。。。。となります。

 

この空白の6か月に何があったのか?

 

値下げです。

それまでのCDの価格はアナログレコードの新作の価格2500円より高い4000円前後の価格だぅたと記憶しています。

そのCDの価格がアナログレコードと同額程度になりました。

この背景には当時は知る由もありませんでしたが、ソニーがCDプレイヤーを次世代オーディオ機として売りたいが為に取った戦略があります。アナログレコードを生産しない減産から転じて、今度は新作をCDのみとする動きに加速させ、音楽業界からアナログレコードを追放して行きます。

大量生産により価格の値下げ可能となって、さらにはレコードを店頭から引き上げる店舗改造の支援策も一部では行い、業界をひっくり返します。その大成功を収めた結果、90年代以降の売り場はCDがメイン。アナログレコードは片隅へ。。。そして消滅。以後、アナログ盤は中古レコード屋が扱うモノになって行きます。

1990年8月の『ナガオカ』の倒産は、その象徴でした。

 

ギョーカイに入った時、CDへの変更時にアナログレコードを店舗から返品対応した話しを聞いた事がありますが、その時の話しで出ていたであろう返品の規模までは覚えていないのです。ただ、それほどの規模=総返品ではなかったのではと思うのは横須賀にサムグッデイと言う店を出す為の近隣の市場調査と称して、先輩と二人して横須賀手前のJR衣笠駅から立ち寄った『フー』と言う名のレコ屋に行ったのですが、ここはレコードが無造作にカオスな状態で置かれていたのです。そのレコードを入れるビニール袋に、横須賀のCDショップの名が印字されていたのです。その『フー』の大半のレコードが、そのお店の名のついたビニールに入ったレコード。ざっと3軒分ぐらいはあるかって感じ。

返品が出来なかったから売却した、その売却先が『フー』だったと推測すれば、メーカーはあまりレコードを売り場から引き上げずにCDの導入をしたのではと思う所があります。

 

その横須賀のレコード店。。。。レコード協会の会長(89年に会長だったかは不明)のお店です。サムグッディも、その会長のお店でした。そんな忖度ありの店のレコードすら総返品の引き受けをしていないとすれば、さほどの返品もなくCDを導入できたとの推測ができますが、、、コレに関しては当時のギョーカイ人の方から指摘されれば違うかもしれません。

 

オイラの初渡米が88年。

その時のサンフランシスコのタワレコも売り場は、CDとアナログが7対3の比率扱い。が、92年のNYのタワレコではCDのみ。アメリカでは日本よりCDが先行して売れいたと思うのは88年から91年にかけての4年間での渡米では、当時叩き売られていたレコードの大量釣り上げの記憶しかないからです。年に2回か3回は渡米。年末はNY。その度に30枚前後のレコードを釣り上げては帰国の繰り返し。それは、もう、持てるだけ、機内に持ち込めるだけ釣り上げる。ただそんな感じも92年の年末か93年ぐらいまでの事。93年は日通だったかを利用して100枚ほど空輸もしていたか。もうこうなるとギョー者ですね(笑)。

 

この後ですね、渋谷を中心にした中古レコ屋の時代到来が来るのは。。。

93年の時点で渡米先では、日本人バイヤーが買うレコードが軒並み値上がりして、その価格差に喜びを見出せなくなったとの実感があります。

1995年の10月にギョーカイ入り。1996年の年末にNYに3泊5日で強行旅行。この時もそれなりには釣り上げましたが、どれも高額で手が出せないモノもかなりあったと記憶しています。そして、これが今の所、最後の海外旅行になっています。

 

ヴァイナルの時代

それを考察するなら、実感としてのヴァイナルの浮き沈みが不可欠と考えましたが、実際はオーディオ機器を売りたいハードを売る親会社=家電メーカーの都合でアナログ盤は翻弄されていたって事になります。

ヴァイナルの時代も、配信となって音楽はタダ同然となりハード面での収益も見込めない挙句の果てに、どんなに隅に追いやられオタク扱いされても釣り上げ続けたヴァイナル狂に目を付けて、『金になる』と思ったら、製造工場を整備し生産を開始すると言う皮肉。

そう、全てはソニーなどの大手家電メーカーの都合。

 

ヴァイナルの時代に『????』を付けたのも、そんなギョーカイの都合があっての『時代』なる言い方だろって思うから。

アナログをずっと聴いて来た者からすれば、時代も何もない。

 

そう、ずっーーーーと手に届く所にあったのがヴァイナル。

 

アメリカのアナログ購入者の何と6割もがプレイヤーを持っていない。。。との記事も読んだ。

ヴァイナルの時代なんて来てないじゃないかと思うね。

 

それでは。