日本ではACCA関連の情報は皆無だと思うので、その試験概要を説明する。受験を考えている人の参考になれば幸いだ。


1.試験スケジュール

6月と12月の2回受験できる。各回4科目、年間最大8科目も受験が可能。


2.受験有効期限

10年間。受験資格はACCA Studentの会員身分で、ACCA Studentの有効期限はその登録日から10年。ACCA会計士になるには、ACCA Studentの会員身分中に14科目を合格し、ACCA Accountantへの会員身分の更新をする必要がある。会員登録は有効期限があるので、締め切り日の確認は早めにする必要がある。


3.Joint Exam Scheme

ACCAは基本的にイギリスの公認会計士資格なので、イギリス以外ではACCA Studentの会員身分登録ができない。ただし、各国の会計士協会がACCA UKとのJoint Exam Schemeの提携をしていれば、ACCA Student登録がJoint Exam Schemeを通じて可能。アジア圏内では香港やシンガポール、中国がACCA UKと提携している。


4.段階別受験制度

ACCAは3段階のレベル設定となっている。

 ・Knowledge Module(3科目) F1-F3

 ・Skill Module(6科目) F4-F9

 ・Professional Module(5科目) P1-P5

Skill Moduleの試験を受ける場合、a) Knowledge Moduleを3科目とも合格しているか、b) 合格していないKnowledge Moduleの試験を同時受験する必要がある。たとえば、F3 が合格していない人がSkill Moduleの受験をする場合、F3の受験申し込みをしないと、F4-F9の受験申し込みはできない仕組みになっている。


5.筆記試験

ACCAの試験はF1-F3を除いて全て筆記論述試験(英語)。F1-F3はマークシート方式の選択問題。


6.コンピューター試験

Knowledge Modueの3科目はコンピューター試験での受験が可能。受験生は世界各国のコンピューター試験会場で受験日を予約する必要がある。試験枠のある日程なら、受験生の都合のよい日にちを選ぶことが可能。


7.国別試験科目制度

会社法、税法の2科目は国別の試験問題を選択可能。シンガポールでのJoint Exam Schemeの場合、シンガポールの公認会計士として将来登録を目指すには、会社法と税法の2科目はSingapore Variantを選択する必要がある。


8.試験免除制度

会計関連の大学を卒業している場合、試験免除となる可能性がある。下のリンク先にACCA協会提供の試験免除検索コーナーがあるので、出身大学から試験免除科目の検索ができる。しかし、日本の大学を卒業しても殆ど99%試験免除はないと考えたほうがよい。たとえば、University of Tokyoと入力しても「該当なし」と表示される。また、この試験検索コーナーに表示された科目以外に試験免除となる可能性は殆ど0%なので、過度な期待をしないほうが適切だろう。

https://portal.accaglobal.com/accrweb/faces/page/public/accreditations/enquiry/main/EnqInstitutionsTable.jspx


9.試験地選択制度

ACCA Studentの登録をすれば、世界の試験センターのどこでも受験可能。たとえば、シンガポールのJoint Exam SchemeでACCA Student登録した人が出張で試験期間中に日本にいく必要がある場合、受験地をTokyoにすることも可能だ。



その他の情報はACCA公式ホームページで参照されたい。上記の情報は変更になることもあるので、受験を考えている人は最新情報をチェックしてほしい。 


ACCA Global: http://www.accaglobal.com/