中国の(紀元前3世紀頃)の朝廷に仕える優秀な風水師に、徐福(じょふく)という御方がいました。
この人は秦の始皇帝に対して、

「東方の三神山に不老不死の霊薬があります。これを始皇帝様に献上するために、私を探しに行かせてください」
と自ら申し出ました。
快く承諾した始皇帝の命を受けた徐福は、3,000人の童男童女(若い男女)と百工(多くの技術者)を従え、たくさんの食料と五穀の種を持って、東方に在る伝説の国に向かって船出をしたとされています。

その結果は、「平原広沢(広い平野と湿地)」を得て、そこの王様と成って二度と戻らなかったという伝説が中国の「史記」にあります。
これは頭の良い徐福が、国の行末・滅亡を先に予見して、自分が上手に逃げるために始皇帝をダマしたとも言えそうです。
始皇帝は「不老不死の妙薬」という言葉に、見事にダマされたのではないでしょうか。

では、徐福が言った東方の国にある「不老不死の妙薬」とは、本当に有ったのでしょうか?
それが有るとすれば、何だったのでしょうか?

私は、古代に海で遭難し日本にたどり着いた中国の人が、日本には様々な種類の美味しい食べ物があり、そこの住民は恐ろしく長寿者が多かったという話を帰国して伝え、その噂が広まったと思っています。

従って徐福の本心としては、
* 逃亡したい気持ちが半分。
* ほんとうに東方の国に興味が有り、長生きの秘密が有ると思っていたのが半分。
だったと感じます。

そこで、日本の不老長寿の食べ物は何だったのか?を考えますと、まず浮かんで来ましたのが、果実類ばかりでした。しかも最初は青い果実のものです。
まず最初に浮かんだのが、

* ダイダイ(橙)でした。
これは伊勢のしめ縄にも使用されている果実であり、ミカン科ミカン属の柑橘類に属します。別名、ビターオレンジです。
非常に「酸味」と苦味が強いため、直接食するのには適さないとされています。
北欧では、クリスマスのときに飲む温めたワインにダイダイを入れます。
まだ青い色の段階では、青酸カリに似た毒性が有るのかも知れません。

* 梅
* 桃
も重要な果実だと浮かび、古事記にも登場します。

これらに共通しますのは、青い段階では強い酸性の青酸カリ的な毒性も有ることです。
とにかく酸味(クエン酸)が重要な成分だと感じます。
これを毒性が消えた熟しかけ果実が、重要に感じます。

和歌山県の熊野地方(スサノオ神の聖地)には、昔から「梅」・ミカン類・ダイダイ・ジャバラ・・・・という酸味の強い果実が多い産地です。
果実の起源の多くは中国由来とされていますが、

* 日本起源のものも有った。
* 日本の風土で独自の進化をした。

と感じます。少し酸っぱい果実を食べますと、小便がよく出て、血流にも良い感じがします。この酸味がクエン酸です。

人間の寿命=血管年齢・腎臓年齢
ということも考えますと、徐福が目指した「不老不死の妙薬」とは、日本の果実だったのではないかと思います。
果実には他の良い成分と良い糖分も有りますが、食べ過ぎますと血糖値や肥満が気になります。
しかも、果実は高価です。継続は難しいものです。

では、酸っぱい成分だけのクエン酸を単体で摂れば良いのか?
と言いますと、これも疑問です。理想は、果実全体を食べることでしょう。

とにかく言えますことは、「良い酢」も含めて、人間には「酸っぱい成分」も大切であり、
これを意識しないと人は摂らないことが多い。
ということを覚えて置いてください。
皆さんの食生活の参考にして、自己判断をしてください。

ただ、わざわざ伊勢のしめ縄に、ダイダイを付けることが興味深いです。
魔除けであり、人間の健康に良い、という願いが有ったのでしょう。

※冬場は、重曹(クエン酸+重曹のソーダ水)を飲まないようにしましょう。悪い塩分であり、高血圧に注意します