信仰の山である御嶽山の周りには、国常立太神(くにとこたち
おおかみ)を祭神とする神社が珍しく集中して多いです。
御嶽山周辺の地域では、昔から国常立太神が神懸ると自称
する行者が多かったです。中には、幾つかの神道系の新興
宗教も発生しています。
今から二十数年前のある朝、「中部地方に国常立太神の脱走
眷属が動きだしているから回収しに行くように」
と言う趣旨の神示が降りました。
この時は、どんな種類の形象の存在が暗躍しているのかは
分かりませんでした。ただ、「行くように」と言うのは滅多に無い
事なので、かなりの大物だと感じました。
さて、当時はネットもありませんし、何処に行けば良いのかと
思案していました。
数日後、製薬会社の社長さんと面会していた時に、面白い話
が出て来ました。 社長さんの知り合いが、中部地方のある
宗教会に熱心に出入りしている話でした。
そこの教祖は、「手かざし」系の元祖の所で20年以上も支部長
を務めた後に独立した人でした。
「神のナントカ」と言う会であり、教祖の娘さんは有名な元女優
だとの事でした。多くの不思議現象を起こしている様でした。
この話を聞き、これだなと感じた私は、社長さんと共に見学しに
行く事にしました。この会は、紹介者がいる事が条件だったの
で、社長さんの知人達を含めて5名で行きました。
この会は、普通の民家で行なわれていました。
独特の霊的雰囲気(エクトプラズム)で内部は満たされていま
した。この会は秘教的な性格が強く、信者を増やす事は主眼に
無い様でした。
先祖霊と因縁霊を浄化する事により、神の神剣を持てる資格
のある人間を増やして、日本を邪霊の侵略から救うと言う趣旨
の会でした。まるでウルトラ警備隊でした。
教祖は部屋の隅に座り、タバコを燻らせながら全体を眺めて
いました。細い小柄な老人男性でした。
その場で行なわれていた事は、幹部が信者に手の平を向ける
「手かざし」をして、自称の神の光により浮霊(ふれい)をさせる
行為でした。浮霊とは、信者に憑依している因縁霊を表面に出
させる現象です。
この時は女性信者が、豚さんの仕草で畳上を転げ回っていま
した。補助員の説明によると、先祖が営んだ養豚業により、
無念の豚さん達の霊が浮き出ていると説明していました。
手かざし系には良くある奇異な現象です。
これは、教団の背後存在が自作演出して起こしている、人間を
もてあそぶ現象です。本人の深層意識にある記憶を利用して、
夢遊病のように躍らせるのです。
浮霊させた後、幹部が手に持つ見えないパントマイムの神剣
により信者を切る動作をしますと、信者はパタリと動作が止み
ます。
この様子を「あ~あ」と思いながら見学していた私の事を、教祖
は座る位置を変えてはチラリチラリと注視していました・・・。
(続く)
生かして頂いて ありがとう御座位ます