私は陽気な、何の屈託もない女の子とし
て育ちましたけれども、18歳の時、父に連れられて沖縄に行く機会がありました。ひめゆり部隊の墓前でお参りをしようとしたら、突然失神して倒れてしまったのです。
沖縄の病院では原因が分からず、東京の慈恵医大病院で診みてもらったところ、脳腫瘍であと1か月くらいの寿命しかないと。私はその会話をドア越しに聞いていて、「そうか、脳腫瘍で死ぬのか。それなら思いっきり自分のことをしよう」と思いました。
〈千〉 
大変な時期でしたね。
〈西園寺〉 
その頃、五井先生と既にご縁をいただいておりまして、私をご覧になった先生は「これは琉球王国からの因縁で肉体の病気ではない。逃げ出さずに一歩を踏み出しなさい」と話されました。
この時、私はどっちみち死ぬのなら五井先生に命を預けようと決意したのです。父は土下座して手術を受けるよう説得してきましたが、私は頑としてそれを拒みました。自分の中にある力を信じたのです。
病のような状態は3年間続きました。3か月間は飲まず食わずの状態が続き、目は見えなくなり、口もきけなくなりました。肉体の感覚が薄れていく半面、自分の中の霊性が目覚めてきます。
少し神秘的な体験をお話しさせていただくと、20歳になったある時、病室の窓から眺めていた太陽が突然近づいてきて私の中に飛び込んできたのです。と同時に私の守護霊様、守護神様が姿を現し、こうおっしゃいました。「おまえの命は20歳で終わった。おまえに改めて使命を授ける。誰にも守護霊様、守護神様がついていて、守っていることを人々に伝えなさい」と。そこから少しずつでしたけれども病は快方に向かい、物が食べられるようになったのです。
〈千〉 
奇跡的な出来事を体験されたのですね。
★(本記事は月刊『致知』2023年5月号「不惜身命 但惜身命より」一部抜粋・編集したものです)
◎千玄室さんと西園寺昌美さんの記事には、
・日本の現状を見て思うこと
・国内外に広がる「世界平和の祈り」
・人生を変えた老師のひと言
・平和を思う心に人種や国境はない
など、自らの人格を高め、よりよい世の中に貢献していくために大事なこと、いまこそ求められる生き方が語られています。。本記事の詳細・ご購読はこちら【「致知電子版」でも全文をお読みいただけます】