病院からホームに帰る前に、ママちゃんが今まで住んでいた家に寄ることにした。


すでに家の中は片付けてあり、残るは家具、家電類くらい。


帰りたい。迎えに来てえーんと何度も電話がかかってきて、しまいには迎えにきてもらえないと電話を折ってしまうくらい、家に帰ることで頭がいっぱいのママちゃん。



片付いた部屋を見たら、もう帰る場所はない。と理解してくれるのでは?


家に行く間に何度も


もう帰れないんだよ。


家にいても一人で生活できないでしょ?


迷子になってご近所に迷惑かけるでしょ?


と言い聞かせた。


その度に、

そうね。寂しいけどホームにいた方がいいのよね。

みんな優しいしおねがい


と、わかってくれたような返事をする。



片付けられた部屋を見て、ママちゃんちょっと泣いていた。


寂しいからもういいわ。

ホームに行きましょう。ショボーン



この日は一日、病院、お昼にパスタ屋、ママちゃんの家と、盛り沢山。


ホームに向かう帰りの車では、

どこに行くんだっけ?あせる


ホームってどんなところ??あせる


なんだか頭がごちゃごちゃになって

わからなくなっちゃったわショボーン



そうだね。疲れたね。


ホームに着くと、

みんなただいま!ニコニコ


と思い出して楽しそうに喋ってる。



よかった。これで納得したかな?

もう帰りたいって言わないね?







ママちゃんの記憶の話