今は亡き妹・・
光の世界へと旅立って1年半が過ぎました。
旅行が好きだった私達姉妹は、妹が子宮頸部腺癌の末期宣告を受ける前までは、スペインやインド、香港や台湾などの旅を共に楽しんできました。
しかし、ある日突然、命の期限を目の前に掲げられた妹や私達家族は、それまでの何の制限も感じていなかった日々に終わりを告げなければならなくなったのです。
それは、人生には限りがあるという事実と、今まで遠くに感じていた”死”というテーマにそれぞれが真っ向から向き合わなくてはならない瞬間でもありました。
すでに末期であると分かっていても、妹や私たち家族は、治療という希望の道を選び、心の中では命の期限を意識しつつ、その時に出来うる妹がやりたいことを実現させながら、日々を過ごしていきました。
妹が行きたい場所や、やりたいことや、会いたい人や、食べたいもの・・
そうした現実的な夢を日々叶えつつ笑顔で過ごしていても、妹の心の中では、光の世界への旅立ちの覚悟が次第に大きくなっていることを皆が心に感じていました。
そのような光と影が交錯する日々の中、姉妹での旅行も楽しむことができました。
妹の抗がん剤治療が終わった後には、髪の毛も生え揃わないうちにウィッグを被ってタイのランタン祭りのツアーに参加したり、
その3か月後には、南インドへ2週間の旅行を楽しんだり・・
限られた時間を目一杯、精一杯、楽しみたいという、妹の切羽詰まった切実な想いからでした。
そして更に、南インド旅行の4か月後の6月には、ハワイの島々を巡るクルーズにも行く予定でした。
でも、ハワイクルーズの直前の5月に癌の再発が告知され、急遽キャンセルしたのです。
妹は奇跡を願い、ハワイ旅行よりも治療を優先したのでした。
その治療でも癌の進行は抑えられず、もう妹に効く抗がん剤は無いと告げられ、治療を止めて緩和ケアへ移りました。
その時、妹は言ったのです・・
「治療をせず、ハワイに行けばよかった・・・。」と
妹には、もう出掛ける体力は残されていませんでした。
私は、妹に後悔の気持ちを持ってほしくないという想いから、「タイも南インドも行けたし、他にもたくさん旅行できたからね。」と、涙をこらえ、楽しかった思い出を語りました。
でも、本当は・・・
私も妹と一緒にハワイへ行きたかった・・・
もっと一緒に過ごしたかった・・・
これが私の本心でした。
一緒に準備した、色違いのサンダルも、クルーズ船のフレンチレストランで着ようと用意したワンピースも、今は、妹とのハワイへの儚き夢を静かに抱きしめながら、クローゼットの奥で眠っています・・
妹の旅立ち
それは、儚き夢だけでなく、その奥にある壮大な魂のドラマや人生への教訓、深き愛、全てへの感謝・・
沢山のことを学ばせてもらいました。
”今という、この時この瞬間を大切に生きること”
”魂は永遠であり、いつでもどこにいても繋がり合っているということ”
”そして何よりも人生を楽しむこと”
妹からの気付きをこれからも大切にしていきたいと思います。
光の約束
果たせなかった妹との約束は、光となった妹との”光の約束”として、これから果たしていこうと思っています
ハワイへの姉妹旅行は、きっと、いつか必ず素晴らしいタイミングで現実化するでしょう。
現実世界と霊的世界との繋がりを自然に感じることができる将来に、言葉以上のコミニュケーションによって妹と対話ができると信じてます
いつハワイへ導かれるのか・・
約束の地で、妹と選んだ色違いのサンダルを履ける日を、今から楽しみにしています