一昨年の12月に、2年の闘病の末、43歳の妹が天国へと旅立ち、両親は、老後となって、娘を失うという全く想像していなかった現実と向き合わなければなりませんでした。
いくつになっても親子は親子です。
その悲しみは、想像以上のものであったようです・・
今年、73歳になる父は、それまでに失うという経験を多々してきました。
幼少期に父親を亡くす経験、
家の織物工場の漏電によって工場と母屋が全焼し、持ち物全てを失う経験、
祖父から受け継いだ織物業の会社を連立倒産によって失う経験、
そして、会社倒産によって、代々引き継いだ土地と家をも失う経験、、
また、新たな居住先である高知の生活では、台風による水害で家が半壊し、家財を全て失う経験などなど
失うことへの辛い経験が起こるたびに、それらをバネにして自分の人生を切り開き、笑い話のように変えていくパワーが父にはありました。
でも、そのような失うことへの経験を多々してきてはいても、やはり、娘を失うという経験は、今までの経験とは全く比にならない大きな喪失だったのでしょう。
妹が亡くなって数か月の間、毎晩の晩酌で、お酒を片手に声を押し殺しながら肩を震わせ涙を流し、溢れ出る悲しみと必死に闘っている父の姿を何度も目にしました。
生まれて初めて見る、落ち込む父の姿でした・・
そして、妹が亡くなってから1年4か月が経ち・・
それまで死んだら無になると言っていた父に変化がみられてきたのです。
妹の旅立ちが、今までの死生観を変えていったようです。
いつものように晩酌を楽しむ、我が家の昨晩のこと・・
両親とお酒を楽しみながら、最近話題のブラックホールの話から未知なる宇宙の話、そして、生き方談義へと話は次々と移り変わっていきました
すると、生き方談義で、父の口から・・
「結局、全ては、自分が想っていることが現れているんじゃないかな~と思うんだよな~。自分が楽しいなと思えば楽しいことが起きたり、だから、自分の想いが大切なんじゃないかな~。」
「向こうに行ったら陽子(亡き妹)に会えるんじゃないかな~とか、自分が楽しいと思うことが一番大事だと思うな~~。」
と
お酒に酔った父から、さらっと出た宇宙の真理の言葉に驚き、私の酔いは一瞬で冷め、一気に宇宙と繋がったのでした(笑)
今まで死んだら無になると言ってきた父は、自分が亡くなったら娘に会えると思うようになり、そして、自分の想いによってこの世界は創られているという真理を語るまでにシフトしていたのです
どこから聞き学んだわけでもなく、自らの経験からの気付きによって、父は真理に触れていたのでした
我が父ながら、本当に素晴らしい
心の中で父を称賛しました
父の変化
人生最大の悲しみから、真理を見出し、穏やかさに変えていくパワー
その穏やかさの境地に至った父の姿は、今の私の心の表れでもあるのでしょう。
この世界は、自分の意識が創る世界
この良き流れで、周りと共に美しい世界を創造していこう
そう、改めて心に誓った父と母との語らいの夜でした