穢れのない透明感溢れる美しき笑顔
その美しき笑顔の秘密は、全てを受け入れたときの悟りの境地なのかもしれません。
去年12月に子宮頸部腺癌で天国へと還っていった妹・・
妹は、小さな頃から繊細な心で、人が気にならないような小さなことにも心を痛め、すぐに涙をこぼし泣いてしまうような子でした。
その反面、知らない子にでも喋りかけたりして、喜ばせたい気持ちからか、ひょうきんなことをポロッと言って笑わせたりもしていました。
でも、そのガラスで覆われた繊細な心は、大人になっても繊細なままで、妹は傷付くことをいつも恐れていました。
いつも人と会うときは、その人が自分にネガティブな影響を与えるかどうかを心配し、その人が良い人か、機嫌が良いかなどを、いつも観察していたように思います。
そして、ネガティブな部分を見つけると、ショックを受け心を痛めていたのです。
なので、今までの妹の写真を見ると、口元はいつも閉じていてその笑顔は、心からの笑顔ではないように見えていたのです。
でも、命の期限を告げられ、天国の扉が迫ってくるにつれ、様々なことを手放していかざるを得ない現状と共に、少しずつ心も解放されていったように思います。
人が持つネガティブな部分を許す心の余裕もできたようでした。
それから妹の笑顔は、少しずつキラキラと心からの笑顔に変わっていったのです
そのように心からの笑顔になれたのは、今まで割れないように慎重に守ってきた、心を覆っていたガラスを取り払うことができたからだと思ってます。
その心を覆うガラスは、自分が創った、「怖れ」だったのでしょう。
ずっとこの「怖れ」を心の中に持ち続け、妹は自分の中の怖れと周りの人の怖れが共鳴し、さらに怖れが大きくなり、怯えていたのだと思います。
でも、人にとって究極の恐れである「死」を目の前に突き付けられたときに、やっとそのような怖れを手放していくことができたのだと思います。
そして心を覆っていたガラスの部分、「怖れ」の部分がだんだんと取り払われていくと、心の奥にあった妹の純粋な愛の部分が力強く輝いていったのです
自分の中の愛が広がっていくと、今度は、周りの人の愛の部分と共鳴し、妹の澄んだ瞳には、相手の愛の部分が映されるようになったようです。
それからの妹の口癖は、いつも「ありがたいね。」でした。
小さなことにも全てに感謝をしていました。
それは、妹の魂が輝きを増し、大きく成長した瞬間だったのでしょう
最期、天国の扉の前に立つ妹は、キラキラと澄んだ目をしていて、落ち着いていて堂々としていました。
そしてそこにはもう、傷付くことを怖れ小さくなって震えていた妹の姿は、どこにもありませんでした。
きっとその命の経験が、妹が計画してきた一番の課題であり、学びだったのでしょう。
そのような究極の場面で怖れを手放し、全てを受け入れていった妹の勇姿を心から称えたいと思います
美しき笑顔
これからは、ずっとこの笑顔で
私もいつか、妹のような美しき笑顔になれますように