四万十川で10年間、両親と毎日、ウナギや、テナガエビ、モクズガニを獲って市場に出荷する川漁師の仕事をしていましたが、両親も70歳という年齢で、埼玉にいる妹の病気のこともあり、今年の4月15日の漁を最後に、川漁師を辞めることにしました。
最後の日に獲った四万十川の天然のウナギです。
延縄(はえなわ)漁で獲りました
延縄漁とは、一本の縄に多くの釣り糸とつりばりを、間隔をあけて取り付けたものを使って魚をとる漁法です。
釣り針に付ける餌は、四万十川で獲ったテナガエビです。
前日の夕方に延縄の仕掛けをかけておき、次の日の朝に仕掛けを揚げます。
天然のウナギは、昔よりも数が減ってしまい、うちが仕掛けた数の漁では多い時でも20匹くらい、少なければ1匹2匹という感じです。
気になる天然のウナギのお味ですが、まず、脂の質がとても軽く、上質な脂が乗っていて、身も細やかで美味しいです
今までは、漁をしていたので、天然のウナギや川エビをいつでも食べることができましたが、漁を辞めてしまった今では、もう幻のものとなってしまいました。
10年の漁生活が終わった今、川での思い出が次々と思い出されます
35歳で夫を亡くし、すぐに四万十市の実家に戻り、両親がやっていた川漁を一緒に始めました。
普通の35歳の女子でしたら、川で漁をすることなど全く興味がないかもしれませんが、私は毎日変わる自然の姿を体験できることが、楽しくて、気が付いたら10年経っていた感じでした。
子供の頃から自然が好き、静かなところが好きという私には、四万十は本当の自分に戻れたと思うほど素晴らしい場所です。
十数年前に東京に住んでいた頃、いつも夫に冗談で「四万十に住みたいな~。」と言っていたのが、現実となった今、思うことは、やはり思考は現実化するんだということです。
夫を亡くすという辛い経験もしましたが、純粋に願う思いは、いつか現実となるのです。
そして、自然の中で暮らした10年で、自然から命のことを学び、自然とスピリチュアルな世界を学ぶことにつながったのだと思います。