レンズは、ほぼオールドレンズでフィルムカメラとデジカメで共用して使っている。
何の不満もないわけだが、たまに他の古いフィルムカメラを使ってみたい衝動に駆られる。
おそらく自分はメカとして古いカメラに深い興味を持っているのだろうと思う。
電気仕掛けが何も無い機械仕掛けのカメラ
職人が丹念に作ったもの
ファインダーはどんなふうに見えるのか
シャッターの感触はどうなのか
ピントはどのように合うのか
どんな構造になっているのだろうか
全体の使い勝手はどうなのだろうか
そんな写真自体とは関係のない事に興味がそそられる。
暇な時に、インターネットなどでクラシックカメラの記事をみたり
ヤフオクを眺めてみたりして、次なるターゲットを狙っている。
値段的にも手頃な物があるとついつい入札してしまう。
時としてうっかり落札してしまい手元に届いてしまったりもする。
そんな中で最近2つのカメラを手に入れた。
一つは3月に手に入れたツァイス・イコンのコンテッサ
もうひとつは最近手に入れた同じくツァイス・イコンのコンタックスIIaだ。
偶然にも両方共ツァイスイコンのカメラだ。
ツァイス・イコンは、いわゆるカールツァイス財団傘下のカメラメーカーだ。
35mm版の最初のカメラを作ったのはライカであったが、距離系連動型の35mmカメラを最初に作ったのは、ツァイスイコンであり、これがコンタックスIというカメラだ。
そして、コンタックスII、コンタックスIIIと進化したツァイス・イコンのカメラは、戦後コンタックスIIa、コンタックスIIIaを発売した。
ライカが、基本に忠実に、頑固なまでに堅実なモデルチェンジをしたのに対し
コンタックスは、常に最新の機能を追い求めた。
距離計連動も高速シャッターも露出計の搭載もコンタックスの方が早かった。
いずれにせよ、1960年代日本のメーカーが一眼レフを持ってカメラ業界を席巻するまでは、ツァイス・イコンとライツは良きライバルであった。
写真の左が ツァイス・イコンのスプリングカメラ「コンテッサ35」で 右が「コンタックスIIa」だ。「コンテッサ35」は、1950~55年のツァイスイコン社の小型スプリングカメラの最高級モデルで「コンタックスIIa」が、1950~60年のツァイスイコン社における35mmレンズ交換式カメラのフラッグシップ機だ。現在で言うところの「コンデジ」と「一眼」の違いと思ってもらえれば良い。
両方ともヤフオクで入手したもので、「コンテッサ35」が1万円で「コンタックスIIa ゾナー50f2」が15000円で落札したものだ。
実はこの金額だと、「ジャンク」扱いの物しか落札できないので、届いて見ないと本当に動作するかどうかはわからない。
落札前からわかっていた事ではあるが
私が入手したコンタックスIIaは幾つかの不具合があった。
・アクセサリーシューが無い。
・後ろの革張りがボロボロだった。
・フィルムスプールが無い。
アクセサリーシューは、なくても写真は撮れる。
外付けファインダーが付けられないだけだ。まあ本当に欲しかったら何かのジャンクカメラのアクセサリーシューを外してつける事も可能だろう。
実際コンテッサのアクセサリーシューを外して付けてみたらぴったりと付いた。
革張りはAki-Asahiから、カットされてない物(1200円)を購入し、自分で貼った。
本来、革張りに押してあるツァイスマークは無いが見た目は新品の革張りとなった。
フィルムスプールは、ライカのフィルムマガジンが余っていたのでそれをばらして使う事にした。
ただし、そのままは使えない為、セロテープで止めて使っている。
これも本当に欲しければ、3000円くらい出せば手に入れる事は出来る。
いずれにせよ、なんとか動いた。
さっそく撮影した。フィルムは富士の業務用でスキャナはOpticFilm8200aiで取り込んだ
コンタックスIIa+ゾナー50mmf2
ゾナー50mmf2の写りは、想像以上だった。
ピントはよく合って解像している。周辺部の解像度もこの時代のものでは抜群だろう。また、逆光等にもほとんど影響してないみたいだ。
特に驚いたのは、色の補正をまったくしなくてもほぼバランスの撮れた色合いになっていた事だ。色のコントラストも素晴らしい。レンズの基本的設計と言う意味では、同時代のライカを凌いでいると思われる。
気に入らない事が無い訳でもなかった。
シャッター音が少しうるさく衝撃がある、おそらくシャッターユニットのオイル切れではないかと想像する。
いつかはバラして清掃し、注油してみたいものだ。
続いて、コンテッサ35
コンタックス+ゾナーに較べると、色コントラストや解像度はかなり落ちる。
逆光の影響もそれなりにある。ボケもうるさい。
だが、このカメラはポケットに入るコンパクトなカメラだ。カメラとしての位置づけが、フラッグシップモデルのコンタックスとは異なる。
新宿御苑で撮影していたら、結構人目が気になった。
このカメラはスプリングカメラでデザインも現在のカメラとはかなり異なるからだろう。