あまりに突然に思えた息子の入院。

でも、振りかえれば、いくつか予兆はあった。


①腹痛

「おなか いたい」

保育園の連絡ノートを辿ると10/4の夜、息子はたどたどしくそう訴えていた。

記憶が曖昧だけれど、その少し前にも一度、あったように思う(すぐ様子は元通りになったように見え、あれっと思ったくらいだった)

この時は何度か繰り返すので不安になり、夜間の小児相談ダイヤルに電話。

とはいえ、腹痛だけでは先方もよくわからないようで(まあ確かに、漠然としている)、困惑した様子で「腸の動きを腹痛と捉えることもある。温めてあげて」という返事で終わった。

翌朝にはケロっとして、その日の保育園からの連絡ノートにも「特にお腹を痛がる様子は見られませんでした」との記述。良かった、一時的なものなんだ、と安心してしまっていた。


②うつ伏せ寝

これは夫が気にしていた。

確かに息子は秋頃から、膝を立てるようにしてうつ伏せの姿勢で寝ることが多くなっていた。後から思えば、かばう姿勢をとっていたのだなと思う。

でもまさか、お腹の腫瘍とは思いもしなかった。子供って、面白い寝方をするなぁ、くらいの認識だった。


③活気がない

「おうち かえる」

ノロウィルスで体調を崩したのと前後していたと思う。公園へ連れて行っても、以前なら引き離すのに苦労していたのが、拍子抜けするくらい、アッサリと帰るようになっていた。


いずれも、後から思えばというくらいの違和感ではあった。

でも入院後、ある先生から

「小児がんとわかると、親御さんは自分を責めます。どうしてもっと早くにわからなかったのかと。

でも、その必要はありません。この病気は、わからないものなのです」

包み込むように、穏やかにそう言われた時、涙をこらえるのに必死だった。

責めないわけがなかった。

たった2歳の、身長90センチにも満たない小さな体の中に、8センチもの腫瘍ができていたなんて。

自分でうまく言えないのだから、でも振り返ればサインを出していたのに、気づかないままだった。


「おなか いたい」と言われた翌日、どうしてかかりつけ医院に行かなかったのかこれだけは、何度も悔やんだ。

かかりつけは、すぐに血液検査など詳しく調べてくれる小児科医院だった。休診日や混雑で、どうしてもかかりつけを受診できない時には他の病院へ行くこともあった。でも結局、見逃された尿路感染症やRSウィルスを、後日確実に見つけてくれた。

もしあの時連れてっていたら、もしかして、もっともっと早く

悔やんでも仕方がないと分かってはいたけれど、その思いは小さなトゲのように、しばらく刺さったままだった。