2023212日 7:07   永眠 

享年46


最後まで彼女は諦めなかった。

あれほど嫌がっていた足の切断を行い、また、放射線治療だけでなく、抗がん剤治療まで受けて、最後まで生きようと頑張った。


彼女は、思えば、幼少期からずっと病気との闘いであった。

小さい頃は眼の手術を何度も行い、心臓の手術は2回経験。突発性難聴やうつ病まで患い、最後はがんで亡くなってしまった。


私と会わなければ違う人生もあったかもしれない、がんにならなかったかもしれないと、マイナスな事ばかり考えるようになった。


あの時もっとちゃんと話を聞いてあげれば良かった、もっと一緒に出かけてあげれば良かったなどと後悔の念に苛まれる。


思い出すのは、亡くなる時の事ばかり。

もっと楽しい時もあったはずなのに、亡くなる直前のベッドでの姿が思い浮かぶ。


果たして妻は幸せだったのだろうか。

私は彼女を幸せにしてあげられたのだろうか。


妻を何度も傷つけたこともあった。喧嘩になり、離婚して欲しいと泣きつかれたこともあった。

私も疲れていたので、それも選択肢の一つかもしれないと考えた時期もあった。


楽しいこと、嬉しいことだけでなく、悲しいこと、辛いこと、色んな事があったが、この20数年間は間違いなく幸せだった。




だからこそまた幸せになりたい。誰かをまた愛し、愛されたいという気持ちになり、私は再び結婚がしたいと思い、婚活を始めようと決意した。


妻もいつまでも悲しみにくれる私を見ていたくはないだろう。

これは、生きている自分が描く勝手な想像かもしれない。


もし再婚できたら、誠心誠意をもって、相手を尊重し、お互いを思いやりながら、ゆっくりと幸せを築いていきたい。