りんごの ふるさとは  北国の果て

うらうらと 山肌に 抱かれて 夢を見た

あの頃の想い出  あゝ 今いずこに

りんごの ふるさとは  北国の果て

 

りんごの ふるさとは  雪国の果て

晴れた日は 晴れた日は  船が行く 日本海

海のいろは碧く  あゝ 夢は遠く

りんごの ふるさとは  雪国の果て

 

あゝ 津軽の海よ 山よ  いつの日も なつかし

津軽の ふるさと

 

 

 

  詩の考察

詩の意味は書かなくてもいいと思いますが、本州の最北端、青森県の岩木山のふもと津軽地方の歌で「北国の果て」「雪国の果て」という言葉にとても魅力を感じます。

今は飛行機ででも新幹線でも東北は近くなりましたけど、昔はこの詩の言葉のように、北国の<果て>、という感じがあったのでしょう。

その果てから、立身出世を願って東京に出てきた青年が、故郷を、母を、思い出し、いつか帰るぞとがんばっている姿が目に浮かびます。

誰でも若い頃は大きな夢を見ます。

津軽生まれのこの詩の主人公は、春はうららかな陽ざしの中、山の斜面に大の字に寝ころがって将来の夢を見ていたのです。

そして冬には紺碧の日本海を航行する船を見ては、自分も大きくなったら、あんな風に、こんな風に……と、大きな夢を描いていたのです。

その夢をかなえる為に都会に出て勉強し、仕事をしていたつもりだったのに、ふと気がつくと、日々流されて過ごしている自分に気づくのです。

ふるさとを思い出すことは、母を思い出すことです。

立派になって、自分の道が出来たら、故郷へ、母のもとへ帰ろうと思うのです。

せつない故郷への思いが歌われています。

 

故郷というのは疲れたときや心さびしい時に、しみじみと思い出すだけで、暖かい気持ちになったり、また新しい活力が沸いてきたりするものなんでしょうね……。

私は大阪の真ん中で生まれ育った都会っ子なので、故郷、というのを知りません。

どんな感覚なんだろうなぁといつも想像していますが、思い出すだけで深呼吸してまたがんばる気持ちがわいてくるなんて、なんてすてきなものでしょう、うらやましいようです。

 

 

  歌の誕生

昭和27年「りんご園の少女」という美空ひばりが主演した映画の挿入歌として生まれました。

この歌は米山正夫という人が作詞作曲していますが、この人、歌謡曲の世界ではヒットメーカーで、たくさん歌をヒットさせています。

「津軽のふるさと」以外の歌、少しだけあげてみましょうか。

 

森の水車               ピンク音符緑の森の彼方から陽気な歌が・・・) 作詞 清水みのる

山小屋の灯      ピンク音符たそがれの灯はほのかにともりて・・・) 作詞 米山正夫

リンゴ追分              ピンク音符りんごの花びらが 風に散ったよな・・・) 作詞 小沢不二夫

三百六十五歩のマーチ ピンク音符しあわせは 歩いてこないだから歩いていくんだね・・・) 作詞 星野哲郎

 

 

 

やっぱり歌曲ってすてき!

の。