歌曲のお話をちょっと休憩してこんなお話に付き合ってくださいな。
カナリヤかうぐいすか、どっちが好き?ってお話です。
犬が好きか猫が好きかって質問はよく耳にしますよね、それでだいたいの性格がわかるそうですけど、カナリヤかウグイスかで何がわかるのかな?(^^;)
イメージとしては、カナリヤは西洋のドレスを着て、白いパラソルを手にした淑女、うぐいすは着物姿で、下駄をカラコロといわせながら町をかけていく小町娘、なんてイメージかしら。
カナリヤはその名のとおり、カナリヤ諸島原産の鳥で、日本にやってきたのです。
あのコロコロと鈴を転がしたように長く長くさえずるカナリヤは、松の枝より緑の芝生のみえるバルコニー、もしくは白いカーテンがそよ風にゆれる窓辺などで可愛い籠の中に大切に飼われている姿が似合いますよね。
昔、私が高校生の頃、黄色いローラーカナリヤというのを飼っていたことがあるのですが、いつもとても澄んだ声で歌いつづけていました。
姉も私も音楽が好きでしたから家の中では何かしら音楽がなっていたのですが、特に姉がピアノを弾いたり私が歌いだしたりすると、とたんに歌い方が変わるのです。
嬉々としてピアノや歌に合わせて一緒に歌っているようなのです。
姿かたちも華奢で、繊細な心の、深窓のお嬢さんって感じですね。
一方うぐいすはといいますと、籠の中のうぐいすなんて似合いません。
谷から谷へ自由に飛び回っている、しっかり自立した野生の鳥って感じです。
日本全国にいる鳥で、背がオリーブ色したうぐいすは古くから歌にもたくさん詠まれています。
<春告げ鳥>とも言われ、梅の咲く春にはなくてはならない日本の代表的野鳥です。
うぐいすは歌い方を練習して上手くなっていきます。
カナリヤも上手く歌わせるためには、飼い主が美しい声や音楽を聞かせてカナリヤに覚えさせるのですが、うぐいすは自分でちゃんと自主練習をして、習熟していくのです。エライ鳥なんです。
早春の谷間で「ホー」とか「ケキョ」なんて、中途半端な鳴き声を耳にしたら、目下お勉強中のうぐいすだと思ってください。
「ホーホケッ」なんて声を聴くと思わずクスッと笑えます。
そのうちに、ワンコーラス完全版が歌えるようになるのでしょうけど。
でも、ひょっとしたらうぐいすの中にも音痴もいて、どんなに練習しても結局全部歌えなくて「へたっぴぃ」って仲間から笑われるうぐいすもいるのかなぁ?(^^;)
ぼてっと太って動きの鈍いうぐいすなんて見たことないし、やっぱりうぐいすは身の引き締まった自立した女性、江戸小町です。
だいたい鳴き方にだって違いが現れてます。
うぐいすの「ホーホケキョッ!」って切れ味のいいこと!
片やカナリヤの「リュリリュリロロロロ…」なんてソフトで優美なこと。
そう、歌にもありましたっけ…歌を忘れたカナリヤは、月夜の晩に象牙の船で銀の櫂、を持たせて浮かばせたら忘れた歌を思い出すっていうのですよ。
さすが西條八十の詩です、優雅で夢のような世界です。
カナリヤのイメージにぴったり。
うぐいすは、というと、明るい月の夜に、山里の古いお寺の屋根にとまって、和尚さんがたたく木魚の音とお経の声を聞いて思い出すのですよ…。
何故って? そのお経は「法華経、ほけきょう、ほけきょ」って聞こえるのですから。
カナリヤかうぐいすかどっちが好きかと聞かれたら、私は歌い手だから、
「どちらの鳴き声も美しいですものどちらも好き、カナリヤのようにもうぐいすのようにも歌いたいですわ」 な~んて言うと優等生の答えになるのでしょうけど、そこは無類の時代劇ファンの私としては、江戸の町にはカナリヤは似合わないもの、やっぱり暴れん坊将軍か銭形平次か御家人残九郎の後ろで鳴くのは「ホーホケキョッ!」でなくっちゃ。(^^;)
でも 今は くぴちゃん! と鳴く変わった子と暮らしていますから、好きなのは
カナリヤでもなくウグイスでもなくボタンインコの くぴ ですっ
このポテッとした体形とまんがのような目が大好き (^^)
日々癒されてます
くぴ第一、の毎日です。
ちょっとお遊びのお話、失礼しました。
の。