ヴェニス日記は終わったけど、まだまだヴェニスネタで引っ張ろうとするヤツ。


19世紀末から20世紀初頭に活躍した、ジョン・シンガー・サージェント(John Singer Sargent) という画家がいる。フィレンツェで生まれたアメリカ人で、人生の大半をヨーロッパで過ごした人。彼は一般的に肖像画家としての方が良く知られているけれど、人生後半、肖像画を描くのに飽きたのか、肖像画の注文を断り、水彩で描いたヴェニスの情景を数多く残している。



これがもう、めっぽう美しいんだな。らびゅーんなのだ。サージェント天才!もともと彼の水彩は大好きだったけど、ヴェニスから帰って来て、サージェントの描いたヴェニスの本を買ってしまった。





この本にはサージェントがどこで絵を描いたのか、その地図も載っているので、次にヴェニスに行く時には、「サージェントのヴェニス」っていうテーマで彼が描いたヴェニスを是非とも辿ってみたい! なんて思ってる。




サージェントの描いたサンタ・マリア・デッラ・サルーテ。

サージェントはまずウォッシュで大まかに形と明暗のアタリを取って、絵の具が乾いたら、その上からサッサッっと詳細を描いていったそう。ものすごい速描きの人だったとか。確かにねー。筆致が勢いがあって速そうだよねー。


ヴェニスの運河。ゴンドラを停留する青い支柱が効果的。


ザッテレ。こうして見ると、大抵の絵は視点の低いところから描かれている。という事は、サージェントはゴンドラの上から絵を描いていたんだなー。彼の時代、ゴンドラは今みたいに超お高くて、新婚旅行でも無ければ乗る気にならないような値段じゃなかったのかな。是非とも同じ視点で彼の描いたヴェニスを見てみたいところだけど…とても無理〜。陸上から辿るしかない。


珍しく人物も一緒に描かれている一枚。


溜息橋。こんだけ省略して描いて、ちゃんと溜息橋と分かるところがすごい。そしてこの絵の光の美しいことと言ったら、それこそ溜息出るわー。


サージェントがそれぞれの絵に使った色数はすごく限られていると思う。3色か4色、使っても5色くらいなんじゃないかな。そしてその中で、アクセントになる色の色使いが絶妙〜ラブラブラブ


これもヴェニスの運河。


同じく。この水の透明感〜。


これ、ロンドンのテート・ギャラリーが持ってるのよね。常設展ではなくて、仕舞われているけれど。見せろや〜〜。…まぁ、水彩は色が退色したりするので、ずーっと晒しっぱなしには出来ないんだろうけど。

数年前に、ロンドン郊外でサージェントの水彩画展やってたけど、またやってくれないかなぁ…。

さて、ここから下二枚はサージェントじゃないけど、私の好きな現代の水彩画家の描いたヴェニス。この人の水彩の描き方も、水の動きを利用してザザザーっと描くの。すんばらしいです。



名前はジョゼフ・ブコビッチ(Joseph Zbukvic)。興味のある人は、YouTubeで検索してみてね。彼が水彩描くところの動画が色々出てきます。