2021/09/15 手術後 1日目

 

ほとんど寝ることはできなかったけれど

それでも朝はやってくる。

 

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1日目の予定

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ベッド上で座る。

状態を見ながら歩行する。

昼から五分粥開始、夕から全粥。

 

 

ところが、少しでも動こうとすると右下腹がギューっと摑まれるように痛い。とにかく痛い。

喉が渇くので看護師さんが通るたびに 

水をカップに入れるように

お願いしたいのですが 

人が来る、と思っただけで 

ぐーーっと痛むのです。

力を入れているつもりはなくても自然と腹筋を使っているんでしょうかね。

 

寝返りすら打てない状態なのに起き上がるなんてできるんだろうか・・・

 

不安になっている中、同室の3人のうち2人が退院していってしまいました。

きさくに声をかけてくれて病室を明るくしてくれた人だったので とても寂しい泣き笑い

たった2日ぐらいのお付き合いなのだけど・・・。

 

でも 寂しさの余韻に浸る間もなく、慌ただしく次の患者を迎える準備がされていき、初日の私のように新しい入院患者が案内されてきました。コロナ患者とは別だけど 病床がひっ迫しているのを感じました。

 

この日、お昼に担当してくれた看護師さんはベテランさんと新人っぽい若い人のペア。

ベテランさんは小柄で白髪交じりの髪の毛を三つ編みしていて ジブリに出てきそうな雰囲気。

新人さんに教えながら仕事をしているようです。

ベテランさんは独特のなまりがある優しい口調で呪文を唱えるように説明しながら 手際よくお世話をしてくれます。

新人さんは無表情な感じ。慣れていないせいかな。

 

ほどなくしてお昼時間。

初回は5分粥。

全くお腹は空いていないけど、痛み止めの薬を飲むために少しでも口に入れなくては。

 

ベッドを起こそうとすとと、これがまた痛い。ぐーっと痛みを我慢しながら上げていくがMAXまで起こしても腰の位置がずれてしまっていて、テーブルまで届かない。

ずり上がろうと試みるもシーツが滑ってしまって足がふんばれない。そんな時に さっきの新人さんが通りがかったのだけど ジタバタしている私を横目で見て そのまま立ち去ってしまいました。

悔しくてなんとか自力で、と もがいてみたけど やっぱりダメで仕方なくナースコール。

 

幸いにも別の看護師さんが来てくれて 

「あら~、位置が下にずれちゃってダメね。一度 倒して頭の位置を上にずらしてから起こしましょう。」と言って手伝ってくれました。

いちいち痛くて脂汗をかいたけど、なんとか食事の姿勢になれました。

 

お椀をあけると5分粥のはずが きしめん。

あれ?と思ったけど柔らかいから似たようなものかな?

1日半ぶりの食事・・・と思いながら 少し口に入れてみると・・・

とたんに猛烈な吐き気が!!オエー

体が全力で拒否している感じ。

口にはほとんど入れていないから大惨事にはならなかったけど、えずいてしまって止まらず。

えずくとお腹もモーレツに痛くてパニック。

助けて・・・えーん

 

気配を察した同室の方が助けにきてくれて 

ナースコールをしてくれました。

やってきたのは無愛想新人。

その時には吐き気は収まっていたものの 

「気分が悪くて食べられない」と言うと 

「じゃあ、食事は下げますね。」とだけ言って 

さっさといなくなってしまいました。

 

腹がたつというより みじめな気持ち。

 

午後はジブリ看護師さんが着替えを手伝ってくれ、

酸素の管を外して

起き上がって歩く練習。

 

お腹に力を入れて体を起こすなんてできるんだろうか・・・

 

ジブリさんの「自分で起きあがると世界が変わるのよ~」という呪文にのって 時間はかかったけど なんとか体を起こして腰かけるところまでできました。


でも立ち上がる勇気が出ない。

前屈みになって、

体に力を入れて、

乗り出して立ち上がる。

…怖いし、無理だ。


座っているのも猛烈に痛い。

結局、5分程度座るのが やっとでした。

 

なんだか負けた気分。

みんな こんな状態で立ち上がっているんだろうか。

でも 頑張ろうって気持ちにはなれず、自分が情けなくなりました。

 

夕飯は全粥を三口。

先生も看護師さんも 「無理せず明日、頑張りましょう」と声かけてくれたけど、頑張れるんだろうか・・・。

 

不安で弱気な一日でした。

 

 

【続く】