6月15日の草加市会議で行った、草加市立病院に関する議会報告の第3弾(最終回)をお届けします。
第1弾では「診療報酬の実態と財政支援」を、第2弾では「外部調査による報告書とその受け止め」をお伝えしてきました。
最後となる今回は、今年4月に就任された鎌田新事業管理者(病院経営のトップ)への質問です。
高齢者人口がピークを迎える2040年、そして国の「第9次医療計画」への移行期を迎える今、草加市立病院はどう生き残っていくのか。“いち市民の代表”の目線で、現在地と方向性を質しました。
1.「治す医療」へ特化
国は現在、医療機関を「治す医療(急性期・救急)」と「治し支える医療(回復期・慢性期)」に明確に役割分担させる方針をとっています。その中での当院の現状と強みについて、新管理者の見解を伺いました。
事業管理者の主な答弁
- 市内に同種同規模の総合病院がないため、当院が中核として急性期医療を続けることが最も適切。
- 一方、市内の回復期・慢性期のベッド不足、医療人材の確保は地域全体の課題。
- 当院の強みは、地域の医療・介護関係機関と顔の見える”強固なネットワーク”を構築してきたこと。地域の医療提供体制の総力を挙げて連携をとることが最重要。
- 東京科学大学(旧・東京医科歯科大学)との良好な関係により、安定した医師確保の基盤が維持できている点も強み。
なお、今回の診療報酬改定に対して、草加市立病院では新たな基準「急性期病院A」を満たし、年間約5,000万円の収益増に繋がる見込みなど、現場の見えない努力もあります。
目指すべきサイズ感と、地域医療の「目詰まり」解消の方向性
地域全体での機能分化が進んでいくなかで、これからの草加市立病院は、どのようなサイズ感や機能強化をはかっていくべきか。その方向性の認識を直球で尋ねました。
鎌田事業管理者の主な答弁
- 方向性:基幹病院の立ち位置をより明確にし、地域医療構想の急性期拠点機能を担う必要がある。
- サイズ感:病院全体の守備範囲の広さや救急医療への対応力を確保する意味において、現在の病床規模(380床)は最低限必要なものと認識している。
- 目詰まり解消:医療圏域にとらわれず、隣接市や東京都も含めた広域的なネットワークの中で役割や機能分担を進め、継続的・安定的な医療環境の構築が必要になってくる。
今回の質問を通じて、現在の病院規模は「最低限必要なサイズ」と言い切った点や、市内のベッド不足という目詰まりに対して「東京都や隣接市も含めた広域ネットワークで解決する」という視点、「治す医療」と「治し支える医療」に明確に分かれていく中で、「治す医療」としての急性期拠点機能の強化を柱に据える方向性が伺えました。
まとめ
これまで3回に分けて市立病院の質問を報告させて頂きました。
要点をまとめると、以下のようになります。
草加周辺の医療圏域の特徴
- ベッドが少ないエリア。
- 草加市立病院の救急搬送は「エリア最多」
第3者検討報告書と病院の方向性
- 急性期拠点機能の強化:経営改善の方向性は、市立病院の経営強化プランと合致
- 目詰まり解消:治療を終えた患者さんを地域の主治医へつなぐ「逆紹介」に改善の余地あり
- がん診療の強化が有用
これは、一人でも多くの市民の命を救うことであり、119番された救急車を、1台でも早く多く受け入れる救急医療や急性期医療の体制を強化することにほかなりません。
- 幅広い診療科の専門医が揃い、24時間体制で高度な手術や治療ができる規模
- 救急隊が現場から患者を搬送する際の「最後の砦」として機能できる強化策
これらが極めて重要です。
また、管理者が掲げた「東京都や隣接市も含めた広域ネットワーク」という考えも極めて重要です。
地域核としてのこの医療機能をどのように強化し、次の世代へ残していけるのか、さらに議論を進めていきます。










