日本人はなぜ戦争へと向かったのか メディアと民衆・指導者編 | 東京都議会議員 浜中のりかたのブログ

日本人はなぜ戦争へと向かったのか メディアと民衆・指導者編

こんばんは
浜中のりかたです。
3冊シリーズの2冊目です。
日本人はなぜ戦争へと向かったのか: メディアと民衆・指導者編 (新潮文庫)/新潮社


メディアと民衆・指導者編も非常に勉強になりました。

新聞とラジオで戦争を煽る結果になり、
時の指導者が世論に押される形でまともな判断ができなくなり、
国を窮地に追いやってしまうということを強く感じました。
例えば、満州事変からの国際連盟脱退という
日本が国際的に孤立していく過程においての世論の動きというのは
注目に値します。
もちろん、日露戦争の講和時の日比谷焼き討ち事件など、
政府の判断が民衆に支持されないことはありますが。。

また、戦争になると新聞がよく売れるために、ビジネスとしては
戦争はおいしいということもなるほどなと思いました。
1941年が新聞社、出版社の収益がピークということも興味深いです。

指導者編では
当時の日本のシステムとしての指導体制や
陸軍対海軍というようなセクショナリズム等で
国の存亡をかけた事態でも、
決断が出来なかったということは非常に勉強になります。

まだ、不勉強ですが、
大正デモクラシーが挫折し、政党政治に終焉を告げると
軍が台頭し、政治が機能しなくなる。
出先の満州の関東軍を
本国の陸軍すら止めることが出来ず、
引きずられていくというのは
今の日本の感覚からすると信じられません。

また、様々な場面で
強いリーダーシップを発揮することが出来ず、
基本的には両論併記という玉虫色の判断や先送りが見られ、
国を存亡の危機にさらしてしまったということは
大いに反省材料にしたいと思います。

多くの有識者のインタビューを中心に組み立てているので
非常に読みやすい本です。
レビューだけでは語りつくせませんので、
どこかの場所でまとめを作りたいと思います。