ヒーローを待っていても世界は変わらない | 東京都議会議員 浜中のりかたのブログ

ヒーローを待っていても世界は変わらない

ヒーローを待っていても世界は変わらない/朝日新聞出版
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湯浅誠さんの最新の著書です。

この方はお隣小平の出身で、東京大学を卒業後、
年越し派遣村の代表など、
生活困難者のサポートをするなどの社会運動家の方です。

その後、内閣参与をして、政府の中に入り
市民運動と政府の両方を経験して、
両方の言い分を踏まえた、上で、民主主義について語っています。

私もよく考えていることを指摘しているので、
非常に共感が持てました。

例えば、ペイ‐アズ‐ユー‐ゴー
【pay as you go】 の原則というものが行政には存在します。


簡単に言うと、
子ども手当て等の新しい政策をするときに、
必ず財源を確保しなければいけないという仕組みです。

これは子ども手当てを実施するために、
無駄を削減して、
その分を当てるというように言うのは自由ですが
実際にはそれは難しく、
予算の仕組み上、
子ども関連の同じ部署の予算を削ることになります。

例えば、未就学時の医療費無料を有料にするなどです。

つまり、行政は無限に予算があるわけでもなく
高度成長期とも違うので、
右肩上がりで収入が増えるわけでもありません。

ですから、
同じ部署の限られた予算を何に振り当てるかということを考えて、
持続が可能かどうかを見極めるのが大切です。
つまり、何か新しいことをしようと思ったら、
原則的に、今までやっていた何かを削らなければいけません。


それでも、各種関係団体からは
自分たちの団体にもっと予算をほしいとの要望がたくさんあります。

それは国でも、西東京市でも同じです。

少し説明が長くなりましたが、
そういう仕組みを知らずに、予算をつけろ、補助を出せという
話をしても、何も変わらないということを指摘しています。

また、
政治家バッシングや官僚バッシング等の
ポピュリズムに対しても、
警笛を鳴らしています。

少し、小難しい話に感じるかもしれませんが、
政治家の方や政治に興味のある方、
大学生の方などにも読んで頂ければと思います。

強い共感を覚えた良い本です。