政権交代とは何だったのか | 東京都議会議員 浜中のりかたのブログ

政権交代とは何だったのか

政権交代とは何だったのか (岩波新書)/山口 二郎
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日本の未来。西東京の未来を考えるときに、
今、中央政治の現場で何が起きており、
これからどうなるのか?ということを考えることは大切であると私は考える。

本書はずっと政権交代を訴えていた政治学者の山口二郎先生の著書である。

リフォーム詐欺の片棒を担いでいたようなものだ』と本書でも述べているが、

民主党政権の稚拙な政権運営やビジョンのなさなどに、言及をしている。

私が参考になったのは

自民党時代の意思決定の仕組みと
民主党時代の意思決定の仕組みが当初かなり異なったことや

山口先生が管直人元総理や民主党の幹部と近いらしく
自民党や小泉政権に対するルサンチマンが凄まじいなと思いました。

野田さんや前原さんなどの世代の政治家のこれからについて
言及されていた点も気になりました。

また、政治学としての
ウエストミニスターモデルや松下圭一モデルの統治などもありました。
ねじれ国会のあり方等の議論がりました。

私が山口先生に対して、不満だったのは
ほとんど陰謀論のような政官財の複合体の話
学者であるにもかかわらず、あまりにも感情に偏っていないか?

財務省主導による社会保障と税の一体改革という批判を展開するが
代替案がまったく示されていない点が如何なものかと思いました。

私も政治家のはしくれとして言わせてもらえれば

今の政治に必要なものは
イデオロギーは予算の使い方に反映されるものであり

生活保護の母子家庭加算への廃止にしても
お金が無限にあれば、誰も反対はしないし

子ども手当てだって、高校の授業料無償化、高速道路の無料化、農家の個別保障だって
無限に金があるならば、誰も文句は言わないでしょう。

しかし、日本の税負担と社会保障を考えたときに
このままでは立ちいかなくなるのは自明の理ではないだろうか。

それをどうするのか?

確かに、医療、介護、年金などの今の社会保障費を削るのは
命にかかわる問題なので、お前は命よりも金なのか!!
とお叱りを受けてしまうが、

では、今のままの税負担でそのサービスが維持できるのかといえば
それはNOである。

増税の前にやるべきことがある!!
と声高らかに主張しても、他国と比較しても、かなり無理があり
現在の赤字国債の起債をそれだけどうこうする話は
現実問題、難しいと思う。

おそらく、自民党にしても、野田さんや馬渕さんのような保守政治家と
政策を競ったときに、おそらく、大きな差異というものは消滅してしてしまう可能性すら
あるでしょう。

また、経済成長で全てバラ色に解決するならば
とっくにしているし、それまでの間は社会保障も先食いをするのではなく
実績に応じて、調整しない大変なことになると思う。

長々と取り留めもない雑感を述べてきたが

本当に大切なことは
何のために、自民党は下野をし、民主党だったのか?
ということを考えることではないかと思いました。

別に、自民党のためや、民主党のために、日本があるわけではなく、

これからの日本をどうするのか?
西東京市はどうあるべきなのか?
ということをしっかり考えて、
未来への責任を果たすことが最も大切ではないかと思いました。

情熱、責任感、判断力の3つをしっかりと鍛えて、
町の未来に貢献しようと改めて思いました。

本書を読んで、日本の政治は正念場であるという認識を
改めて持ちました。