毎年、大学入試センター試験が行われる1月の第3土日は、倅の通う学校の入試も行われ、今日はその合格発表である。

 本当に早いもので、あの日から、もう5年が経過した。

 倅が受験した時も発表は翌日の午前中だったのだが、事前に、その時間には遠く離れた奈良県の中学校の入試を受ける手筈になっていた倅に「僕の受験中に、絶対に先に見に行かんといてな。昼休みの雰囲気で分かってしまうの嫌やから。」と言明されていた為、奈良で受験を終えた倅を待ち、夕方になって、ドキドキしながら発表を見に行ったあの日のことがまるで昨日のことのように鮮明に思い出される。

 

 そう言えば、5年前の入試の前日、倅に手紙を渡した。

 兎に角、挫けずにここまで来たことを最大限に称えた。そして、合格しようがしまいが、ここまで頑張り続けられた倅をそれだけで父は誇りに思っていることを私なりに伝えた。

 中学受験は、当人のみならずサポートする家族を含めた長い長いチャレンジでもある。当時の私にとっては、本当に、その長い戦いを放棄せず、やり遂げただけでも父親としては何にも変え難い喜びであったと言うのが偽らざる本心であった。

今となっては、それもこれも懐かしい思い出だ。

 

 来年は、色々あったが、大学入試センター試験が共通テストに変わる初年度となり、我が家もまた受験生を抱える一年となる。

 親としてできるサポートは何でも引き受けようとは思いつつ、流石に今度は、自分独りの戦いである。どんな目標を立てるのか、そのために塾や予備校に通うのか、どんな講義を取るのか、どんな風に勉強をするのか、、、。

何もかも、自分で考え、自分で取り組むしかない。

 最早、親が何か手伝いをできる訳でもなく、抑、干渉することでもなかろう。今や親の務めは授業料を滞りなく納めることぐらいだろうかと思うと、子供の成長は頼もしくもあり、少し寂しいものでもある。

 

 今年、倅は、センター試験の同日、大手予備校が主催する「同日試験」を受けに行っていた。どういうルートで入手するのか分からないが、同日に行われているセンター試験と全く同じ問題を少し時間を遅らせて同じ日に高1高2生が試しに受けてみられる模擬試験らしい。

 

 一年後、今度は本物の共通テストが待っている。

結果はどうあれ、また、挫けず頑張ったことを称えてあげられる一年を過ごしてくれることを願っている。