「乳がん」になった時、とにかく前向きでいたかったわたし。乳がんにまつわる辛くなる本や映画はなるべく遠ざけていた。
でも、実際乳がんで闘病した人の経験談は読みたい。なんかいい本ないかなーと思っていた。
そんな風にぼやいていると、友人が1冊の本を面白そうだよ、と勧めてくれた。
松さや香
「彼女失格 恋してるだとか、ガンだとか」
彼女失格 恋してるだとか、ガンだとか
Amazon |
これが面白くて、一晩で読み終わった。
この本は、衝撃的な書き出しで始まる。
ELLEのブログを書籍化する際、彼女はこう言われたらしい。
「ガン闘病記って、主人公が死んでないと売れないんだよね」
なんじゃそれー!!
でも確かに本屋さんに行くと、納得。
でも、思うんです。「ガン」って、こういうマスコミの悲しい部分ばかりにやたら当てられたフォーカスのせいで、少し誤解されている。自分もしていたし。
ガンになっても、生活は続くし、立派にみんな生きている。
育児をしたり、仕事したり、家事したり、みんな毎日ココロと戦いながら、人生エンジョイしてるんです。
松さやかさんのこの本のいいところは、お涙ちょうだい系の話が全然ない。リアルな、独身女性の生活の記録。
汚い部分も、ダークな心境も全部吐き出していて、爽快。
この本で、わたしが改めて考えさせられたのは、「乳がん」って診断された時のライフステージによって、捉え方はいろいろあるよね、ということ。
独身の松さんの恋愛事情が、すごくリアルに刺さってきたから。
独身の方、結婚して、子供がいる方、いない方。
それによって、おっぱいの重要さ、ホルモン剤を使って生理を止めることの深刻さ、人それぞれ。子供がいる方は、お子さんの年齢によって、向き合い方や伝え方がかわってくる。
その当事者になってみないとわからない、それぞれの気持ち。
わたしの娘は、当時2〜3歳。
わたしがつるっぱげになったことは覚えているみたいだけど、わたしが泣きまくっていた事とかは覚えてないみたい。
でも、先日7歳になった娘に言われた。
「どうして、ママはわたしのことが大好きなのに、ガンになった時、マスクしなかったの?うつっちゃうと思わなかったの?」
7歳になった今、ガンへの理解、もう少し深めていきたいと思います。