今回はモルドバ共和国です。

 

モルドバといってもピンと来ませんよね。

 

それもそのはず、ソ連の崩壊とともに出来た、1991年に独立した若い国家なのです。

 

<ワインの歴史>

ワイン造りは5000年前にさかのぼります。

モルドバの歴史の中でワイン造りが最も盛んだったのは、中世のモルドバ公シュテファン・チェル・マーレという人の時代だったそうです。

彼はパルルニック「杯を持つ人」という役職を定め、ブドウ畑、醸造、ワインセラーなどを管理させていた。

1812年以降、ロシア帝国占領時代になると、ロシア貴族からワインに適した産地として注目を浴び、年間国内で1億リットルも製造された。

 

ソ連時代(1950年~1960年)にはソ連の要望からブドウ畑は再び増え始め、ソ連全体の消費量の1/5がモルドバで製造された。

しかし、1980年代のゴルバチョフ政権時に禁酒政策により、ブドウ畑は油をかけて燃やされたり、樹を引き抜かれたりして消滅したブドウ畑は14万haにのぼり、およそ65%のブドウ畑を失いました。

 

ソ連の影響力低下と共に、ワイナリーの民営化が進み、モルドバのワインも徐々に復活してきました。

 

モルドバは約73%は国際品種(カベルネ・ソーヴィニョンやシャルドネ等)を占めており、残り17%がコーカサス品種(ルカツィテリ、サペラヴィ)、残りは土着品種(フェテアスカ・ネアグラ等)で占められている。

 

 

<主な土着品種>

 

フェテアスカ・アルバ

  • Feteasca Abla(フェテアスカ・アルバ)
  • 日本語訳「白い乙女」
  • 白葡萄の中で最も歴史があるといわれている品種。果実や白い花の香りが豊かなアロマティック系品種。味わいは軽やかです。

フェテアスカ・レガーラ

  • Feteasca Regala(フェテアスカ・レガーラ)
  • 日本語訳「高貴な乙女」
  • アカシアの花や果実の華やかな香りが特徴のアロマティック系品種。フレッシュなものはミネラルと酸が豊富で、フェテアスカ・アルバに比べ、ボディはややしっかりとしています。

 

フェテアスカ・ネアグラ

  • Feteasca Neagla(フェテアスカ・ネアグラ)
  • 日本語訳「黒い乙女」
  • 輝きのある深いガーネット色で、芳醇な果実味と豊富なタンニンが特徴。樽との相性もよく、熟成にもむいています。

ララ・ネアグラ

  • Rara Neagla(ララ・ネアグラ)
  • モルドバ在来品種の中で最も歴史が古いといわれている品種。エレガントな赤系果実の香りが特徴で酸味が強く華やかなワインへ仕上がります。果実味豊かな香りはボルドー系品種との相性も良く、ブレンドされる事が多いです。

 

 

<ワイン法と品質分類>

 

2006年にワイン法が制定され、2008年に原産地呼称法が制定。

 

DOP(原産地呼称)とIGP(地理的表示保護)の2種類がある。

モルドバワインの栽培地域

 

IGPには4つの地域・名称が登録されている。

中央部 コドゥル ルーマニア語では森林地帯を意味し、白ブドウの生産が70%以上。スパークリングワインも生産されている。

南東部 シュテファン・ヴォダ 土着品種のララ・ネアグラはここの土地が有名

南西部 ヴァルル・ルイ・トラヤン デザートワインが有名な地域

全域  ディヴァン  製造方法が指定されているワインスピリッツ(ブランデー)がモルドバ全域で許されており、2回の蒸留過程を経て、最低3年間オーク樽で熟成される

 

モルドバはざっとこれぐらい押さえておけば大丈夫です。

 

ララ・ネアグラは何度も飲みましたが、しっかりとしたタンニン。程よい果実味を感じれる美味しいワインが多いです。ぜひ、機会がありましたら、飲んでみて下さい!

 

本日はここまでです。

 

次回はニュージーランド編です。

 

読んでいただきましてありがとうございました。