前回はオーストリアワイン法律、主要ブドウ品種でしたが、今回はオーストリアの主要産地になります。
オーストリアの主要産地は大きく分けて4州でわけられます。
①ニーダーエスタライヒ州
②ウィーン州
③ブルゲラント州
④シュタイヤーマルク州
です。
①ニーダーエスタライヒ州
オーストリア全体の生産の62%を占め、生産者数は8269軒です。栽培主要品種は白ワイン品種グリューナー・ヴェルトリナー。
ここで、押さえておくべき産地 ヴァッハウについてです。ものすごく試験の出題率も高いです。
ヴァッハウ
ユネスコ世界遺産に認定された美しいブドウ畑の景観がメルク市とクレムス市の間、ドナウ渓谷に沿って続く産地です。
この土地の生産者たちは、品質の高いワインを保護育成するために協会を設立しています。
この協会では、オーストリアワイン法とは別に独自の品質基準を設けており、
その内容は、以下の3段階に分けられています。
スマラクト
ヴァハウで最高のワインに与えられる名称で、エメラルド色のとかげに由来。
豊かな果実味とバランスの良い酸味の調和のとれたワインだけに命名が認められています。
シュペートレーゼ級で、最低糖度18.2KMW アルコール度数は12.5度以上
フェダーシュピール
鷹狩の道具にちなんで命名された名称で、豊かな果実味を持つエレガントなワイン。
カビネットのランクに位置し、最低糖度は17~18.2KMW アルコール度数は11.5~12.5度
シュタインフェーダー
きゃしゃな野草になぞらえて命名され、最も軽いタイプの白ワイン。
クヴァリテーツワイン相当のランクに位置し、最低糖度は15~17KMW アルコール度数は11.5度以下
以上の3段階となっています。ここは、しっかりと抑えましょう!!
クレムスタールDAC、カンプタールDAC
冷たく湿気の帯びたヴァインファルテルからの風と、暖かく乾燥したパノニア平原からの風の影響を受ける。
主要ワインブドウ品種 白ブドウ リースリング グリューナー・ヴェルトリナー
ヴァインファルテルDAC
オーストリア最北に位置する最大のDAC(限定生産地域)であり、最初のDACでもある。
主要ワイン用品種 白ブドウ グリューナー・ヴェルトリナー
②ウィーン州
経済的に意味を持つワイン生産を世界で唯一行っている首都である。ウィーン市の北、北東、南の3方に畑があり、そこでは多くのホイリゲが軒を並べ、ワインと料理を提供している。
主要ワイン品種 ゲミシュター・サッツ(白ワイン)
③ブルゲラント州
オーストリア全体の26%の生産を誇り、生産者数は3329軒。赤ワイン主体でオーストリアの半分の赤ワインはブルゲラント州で造られる
ノイジードラーゼDAC
3つのエリアに分けられる。
・東から南東部は湖からの霧によって貴腐が容易につくことからヴェルシュリースリング等の甘口ワインが多く生産される。
・北東部は酸が優しくて、フルーティなツヴァイゲルト(赤ワイン品種)が産出される。
・北部はブルゴーニュからきた修道士達が開墾して、ピノ・ノワールとザンクト・ラウレントの生産に成功し、特にザンクト・ラウレントに関しては最高品質の産地でもある
④シュタイヤーマルク州
南はスロヴェニア、南東はハンガリーに接し、降水量はオーストリアで最も多く、質感のしっかりとしたワインになる。
ズュートシュタイヤーマルク
急斜面の続く、標高の高い地帯で白ワイン用品種が中心に栽培され、高品質なソーヴィニョン・ブランが造られる
以上が主要なワイン産地ですが、オーストリアに関しては、各州の位置を地図ですぐ回答出来るようにするべきだと思います。最近地図でここはどこでしょうか?という問題も3問以上出ます。
それでは、実際の問題です。
次の中からオーストリアで栽培されている黒ブドウを選択してください。
- ブラウフレンキッシュ
- グリューナー・ヴェルトリーナー
- ノイブルガー
- ヴァイスブルグンダー
次の4つのオーストリアの限定的生産地域の中から首都ウィーンの北東〜北西に位置するものを選んでください。
- ヴァッハウ
- ヴァインフィアテル
- ノイジードラーゼー
- シルヒャーラント
答え 2
解説 ヴァッハウはウイーンの西、ノイジードラーゼはウイーンの南~南東、シルヒャーラントは南~南西
オーストリアも必ず1,2問は出題されます。頑張って覚えましょう!!
本日はここまで読んでいただきましてありがとうございました。