一篇を編む |  碧い月のひとりごと(八月乃暖穏の覚書)

 碧い月のひとりごと(八月乃暖穏の覚書)

あることがきっかけで、記憶が長くもたなくなったことに気づきました。
だから、忘れないために。
大事な記録と記憶。 忘れたくない思い出。
気が向くままに書いていきます。








あなたの言ノ葉と

わたしの言ノ葉を 繋いでひとつの文になる

あなたとわたしの言ノ葉を 
繋いだ文が 幾重にも重なって

1枚の思い出という手紙ができあがる

幾重にも幾枚もの手紙が積み重なって

わたしたちの愛の軌跡という名の 
1冊の本ができあがる…

その何気ない愛の言ノ葉を記した本は


いつしか時を経て

色褪せて… 

脆くなる…




そして糸が解れ 

1枚の紙になり 

その1枚の紙は 触れるだけで 脆々と崩れてゆく



崩れたその紙は ただの文字になり

やがて風に吹かれて 空へと還ってゆくのだろう…


わたしたちは  一篇の愛を編み


私たちは やがて 離れて逝く




別々の道を生きても


その欠片を見つけられなくなったとしても


空に還ったあの文字は


きらりキラと煌めいて

この世の中に降り注ぐ




いつか どこかで 

愛を編むひとたちのために…