お姉ちゃんの誕生日 |  碧い月のひとりごと(八月乃暖穏の覚書)

 碧い月のひとりごと(八月乃暖穏の覚書)

あることがきっかけで、記憶が長くもたなくなったことに気づきました。
だから、忘れないために。
大事な記録と記憶。 忘れたくない思い出。
気が向くままに書いていきます。

 
 
今日はお姉ちゃんの
誕生日
 
 
11年前のお昼ごろ
 
生まれました
 
 
あの日も、
今日のように
暖かく麗らかで
穏やかな1日でした
 
 
 
前日昼前から破水
なかなか進まず、
ようやく
朝の7時過ぎに分娩台にあがりましたが、
 
助産師が9時過ぎより失踪するという
ありえないトラブルがあり、
最後は吸引分娩でした
 
 
その助産師が戻ってきたのは午後2時半過ぎ
 
 
たまたま通りかかった先生が
私を見つけなければ、
私もお姉ちゃんも
生きていなかった。と
 
後日
センター長諸々のみなさんが
謝罪に来ました
 
 
 
 
なぜ、失踪したか?
 
 
『はじめて1人で担当を任されたが、
怖くなった』
 
 
 
ありえない理由でした
 
 
 
 
お姉ちゃんが生まれたとき
 
泣き声があがらなくて
 
 
すごく怖かった
 
 
他の助産師さんやら
看護婦さんやらが
 
 
『がんばって~がんばって~』
『もう疲れきっちゃって、眠くなっちゃったよね』
『でも、起きて~』
『さぁ、お母さん待ってるから
『さぁ、泣いてごら~ん』
 
 
たくさんの声の中、
泣かないお姉ちゃんに
私が泣き出して
 
『お願い泣いて
 
 
強く強く叫んだ記憶があります
 
 
ようやく
ひにゃー…っと
なんとも言えない
子猫のような泣き声を
あげたときは
感動の気持ちと
天使に会えた気持ちで
いっぱいでした
 
 
 
 
 
あれからもう
11年
 
 
 
お姉ちゃんは
今日も元気です