私がこの本の読書会に参加してもう1年以上になる。
一見、恋愛の攻略本みたいな印象のタイトルだけど、その中身は家系内の愛ゆえに生じる力がどのように家族メンバーに作用するのか、時には世代を越えてどのような形で受け継がれていくのか、家系の中で生じたひずみや不均衡がどのような形で表れて家系のバランスを取り戻そうとするのか、そこには一定の法則がある、簡単に言うとそのような内容だ。
家系内にバランスを取り戻そうとする力は、本人の意思、意識とは別次元のところで働いているので、科学的な実験データがあるわけではないのだが、昔、祖母が井戸端会議でそのような話(親の不始末を子どもが背負うことになるという趣旨の話)をしていた記憶がかすかにあって、そこには長く、深い家系の歴史の中から見出される一定の真理のようなものがあると感じている。
初めは、ただでさえ、複雑な対人関係で、場の空気を読んで自分軸で生きていくことが難しいのに、そこに超越的な家系内のパランスをとるための力にまで左右され、苦しみや悲しみが増す人生だと思うと無力感と虚しさに襲われていた。
しかし、そのような人生を歩んでいる登場人物に、愛ゆえに生じる力の働きだからその法則に抗うのではなく、バランスをとるために意識的に選択し、実行できる別のより良い方法をファミリーコンステレーション(家族布置)第一任者である作者のバート・へリンガーが教示していることに救われている。
本はとても難解で、あまりに宗教的、哲学的で理解が追いつかない部分も多くあるけれど、人間と家族の長い歴史の中で受け継がれる生命の摂理を感じさせてくれる。
今のところ印象深く私の中に残っているのは、
親子関係においてのみ、愛を与える、受け取る、のバランスがとれてなくてもよい、ということ。(ちなみに、夫婦関係では、そのバランスがとれない状態が長く続くと次第に破滅の方向に進んでいくらしい。)
愛の法則によると、親は子にたくさんの愛を与えるけれど、子はそれと同じだけを親に返す必要はなく、子は、また自分の子にその愛を与えればよい、と。しかし、子は親に対して無意識レベルで命を授けてもらったお返しようとするようで、特に気立ての優しい子がその役を引き受けることが多い、とのこと。
自分が母となり、命の尊さ、親の子に対する愛情、それらの重みをひしひしと感じているが、自分が子どもの時にはこれほどまでに自分の命の重みを感じていただろうか?もしかしたら、それよりもお父さんやお母さんに愛されたいという思いの方が強かったかもしれない。
だから、子どもは、お父さんお母さんが大好きだからこそ、家庭内でここにいたらバランスがとれるだろうと感覚的に察知する自分の居所「座」に無意識的に身を置き、その「座」に影響されながら人生を送っていくことになる、ということなのだろうか。
やっと半分ほど進んだ読書会だけど、それぞれの登場人物がどのように「自分」の人生を生きることを選択していくのか、今後の展開も興味深い。