秋は自分と長女が誕生日を迎える季節で、この一年を振り返りながら感慨深く秋の夜長を味わっている。
母になること、子を育てることの喜びと大変さを教えてくれた娘も、もう16歳になり思春期の真っ只中!
思春期だからって、特に関わり方を変えるわけではないのだけど、思春期・青年期の臨床心理学講座を受けていてはっとさせられた。
親としては、子どもの成長を、温かく、厳しく、時に憤りも経験しながらも見届けているわけなのだが、大きな盲点があることに気が付いたからだ。
それは、親である私自身も、次世代を育てるために「世話」をするという発達上の課題に取り組んでいるところだということ。
この課題をクリアできれば親は充実した豊かな壮年期を迎えることができるという。
ところが、思春期・青年期の子どもの言うことを否定するばかりでは、次の世代を育み、育てていくことができない、つまり、自分の中年期の課題を成し遂げることができない、ということだ。
そして、親子ともに揺れる時期だけど、「子」の揺れは親のそれよりも激しいので、親の支えが必要だけど、この時、揺れる子を前にして親自身がしっかりと受け止める力があるかが問われている。
つまり、親自身が自分のことを受容してしっかりと自分を支えられている、ということが肝心であり、
親自身が自己受容できていることが、子ども自身の自己受容につながる、と。
子どもを育てているようで、子を通して向き合わなくてはならないのは自分自身だったように感じている。
まさに子に育ててもらった16年間だった。
この先もまだまだ続く中で、「子」育てにあてた自分の焦点を、もう少し「自分」育ての方に移して、気負うことなくしなやかに、でも自分をしっかりと持ち続けていよう。
「もっとこうしていたら・・」「あの時のあれはひどかった」とか反省点は山のようだけど、奮闘しながら、その時の私なりのベストを尽くしてきたことだけは確か。
だからどうであれ自分にもOKをあげるとしよう。
そして、家族に、友人に、仲間に、今こうしていられることに心から感謝したい。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
以下は、講座の講座で学んだ「思春期・青春期とは?」についてちょっと詳しく書いています。
そもそも思春期とは青年期の始まりで青年期の中に含まれるが、だいたい13~21歳の頃をさす。
「15で姉やは嫁にゆき~」と赤トンボの歌詞にあるように、今では当たり前に存在する思春期・青年期も昔は存在せず、子ども時代が終わったらすぐに大人の仲間入りをして、進べき道が敷かれていたので、社会の中での自分の位置づけや将来に対する迷いは生じにくかったようだ。
でも高度で複雑化した現代の社会では、それに適応するため準備期間が必要で、様々な葛藤を抱え、心が揺らぐ不安定な状態で、自分が何者であるのか、何にコミットして社会の中に自分を位置づけるかという課題に取り組みながら、家庭の外では仲間や恋人などとの人間関係をつくっていく。
家庭の中では、親の考えや価値観に反感を持ち、時には意見を対立させながら、自分なりの考えをもち、アイデンティティーを確立していくことが課題となる。達成するには、相当なエネルギーと勇気が必要だ。
そんな思春期・青年期は生命力に溢れた、みずみずしい時期なのだ。
