大河のネタばっかりで申し訳ないんですが、平安時代は戦がないので、戦国時代とは違う、現代にも通じる人心掌握の仕方が描かれてて面白いな、と。

なんと言っても、藤原三兄弟の長男、道隆です。

道隆が「力で押し切る」と評した、父の兼家は、まさに晴明を脅迫で動かそうとして、思いっきりブーメラン喰らってましたよね。

それでは「人心掌握ができている」とは言えぬ。

道隆は、

「有能な若者は、才能を発揮できる場を求めている」

と漢詩の会を開き、一人だけオリジナルの詩を読んだ公任にちゃ～んと気づき、

「さすがだ」

と褒めて、キレ者感を演出。

そして、

「そなたたちの想いはよくわかった」

と、若者たちに寄り添ってみせる。

これ、両方大事ですよね。

「あ、この人すごい」

と思わせられなければ、いくら

「わかるよ、君の気持ち」

と言ったとしても、あまり意味はありません。

人は、「この人はすごい」と思える人に寄り添ってもらえてこそ、感動するものですから。

そしてまた道隆は、弟道兼にも同じことをやってます。

でもこれは、道隆が生まれつき優れた容姿と品と才を持ち合わせてるからできることです。

お顔の四角い侍従宰相が同じことをやっても、効果は低い気がするので、「すごい」と思わせる何かを身に着けなければなりません。

しかし、どうしたら「すごい」と思ってもらえるんでしょうか。

そして人心掌握が道隆よりも上手なのではないかと思われる倫子様。

なかなかお美しくて、優しくて、明るくて、よく気が付いて、場の雰囲気を清浄にかつ正常に司る女神ですよね。

むちゃくちゃ計算高いっぽいのに、「やなやつ」と思わせるどころか、「なんかしらんけど、かなわない」と思わせられる女性です。

彼女はいつも思いやりがあり、いつも相手に敬意をはらい、いつも前向きで、いつも好奇心旺盛で、いつも自分より場のことを考えているだけなんだろうなと思います。

多分、道隆より無敵。

違う意味で強い清少納言は、人心掌握はできないタイプですよね(笑)

「出しゃばりよね～」

とか陰口をたたかれるけど、まったく気にしないってだけで。

人はついてこない。

倫子様になるよう努力するのがベターなのではないかと。

ドラマの中でも、倫子様は、兼家に「なかなかだったぞ」と言われる程度の容姿で、「絶世の美女」というわけではないようです。

いや……実際のところ、平安時代に黒木華ちゃんがいたら、絶世の美女じゃないのかなと思ってたんですけど、ドラマの中の扱いは、そういうわけではない。

現代なら、化粧でなんとかなる。多分。

倫子様はすでに「相手の気持ちに寄り添う」は実践なさっています。

竈門炭治郎みたいに、心の中がまっさらで綺麗じゃなくてもいいんです。

ちゃ～んとちゃっかり計算しててもいい。

その計算が「他者を傷つけるもの」でなければ大丈夫っぽいです。

いつも思いやりがあり、いつも相手に敬意をはらい、いつも前向きで、いつも好奇心旺盛で、いつも自分より場のことを考えている女性になれば、人心掌握思いのまま。

レッツ、トライ！！！

取材や執筆の依頼・お問い合わせは