野球放浪記『百聞不如一見』 -327ページ目

時には厳しさも

小さな子どもがおもちゃやお菓子を欲しがって駄々をこねていたとする。たいていは、そこで簡単に物を買い与える親御さんはいないだろう。


キャンプは3日目。まだ早いけど、日が経つにつれて、実戦に近いメニューも増えて今季の戦い方が見えてくる。ガイナーズはチームを支えてきた選手が退団し、半数のメンバーが入れ替わった。激しいポジション争いが予想される。


攻撃面では昨年、4番としてチームを引っ張ってきた中村選手、首位打者を獲得し、随所で勝負強いバッティングを見せた国本選手は欠かせない。中村選手は内外野守れるし、国本選手は内野は複数のポジションをこなせる。どこを守るのか想像がつかない。チーム全体としても、誰がどこを守るのか想像がつかない。特に内野は。


一番注目しているのは二遊間のポジション争い。当初は、甲斐選手、水口選手の身長170センチ以下のミニモニ。二遊間(私が勝手に名付けた)を考えていた。しかし、そう簡単に決まってしまっては何だか面白くない。そこへ絶妙なタイミングで亀澤選手の入団が発表された。


亀澤選手のプレーを初めて見たのは昨年の明治神宮大会。恥ずかしながら中国地区大学リーグは全く見ていなかった。プロ志望届を提出していたのは知っていた。環太平洋大学で2番遊撃手としてスタメン出場していた亀澤選手の第一印象は身体能力の高い選手だった。全国的に無名な大学にも個々の能力が高い選手がたくさんいるのは衝撃的だった。


亀澤選手の加入は甲斐選手、水口選手にとっては良きライバルになる。そこに国本選手が二塁を守ることになれば誰かが弾き出されてしまう。さらに二遊間のポジション争いは激化する。


独立リーグは誰にでも出番が与えられる良さがある。しかし、NPBではそれが通用しない。本来、レギュラーというものは、与えるものではなく、自分で掴み取るものである。レギュラーにならなければ、出場機会は簡単に与えない。試合に出たけりゃ自分でチャンスを掴み取れ!それくらいの厳しさがあってもいいと思う。


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ザックJAPANとベースボール

先月末まで行われていたサッカーアジアカップは日本が優勝で飾り幕を閉じた。サッカーと野球、一見、異質のように見えるが、今回の日本代表の戦いぶりを見ていると、野球においても参考になることがたくさんあった。ここでは触れないが、「組織」や「戦略」というキーワードで経済界にも影響を及ぼしたそうだ。


決して楽な道のりではなかった。シリア戦で松井選手が負傷して戦線離脱。準決勝の韓国戦では香川選手が骨折して決勝を待たずにチームを離れた。今大会MVPになった本田圭選手も怪我で1試合欠場。それ以外にも川島選手や吉田選手が一発退場で、内田選手は累積警告で出場停止の試合があった。誰かが欠ける試合の連続だった。


それでも代わりに出た選手が素晴らしい仕事を果たした。西川選手、伊野波選手、柏木選手、岩政選手、藤本選手…。試合途中で出場した細貝選手や李選手も結果を出した。中でも李選手のオーストラリア戦の決勝点となるボレーシュートは記憶に新しいところだ。日替わりでヒーローが生まれた。それによってチーム一丸の戦いが生まれた。


毎日新聞では、センバツ出場校決定を受けて、高校野球の名将と言われる監督さんを中心に、独自の指導論が連日掲載されている。その中で紹介されていた帝京高校の前田三夫監督の言葉が印象に残っている。「レギュラーと補欠の歯車が噛み合っている時のチームは強い」(毎日新聞の記事を抜粋)。これによってチームの和が生まれる。アジアカップの日本代表はまさにこれだったと思う。


たしかに、どんなチームでもレギュラーと控えの選手の差があまりないチームの方が強い。試合において、控えの選手の出番はそんなにない。だからと言って腐っていてはいけない。数少ないチャンスの中で、しっかり準備をして自分の役割をこなす。どのチームにおいても、そうやって1人でも2人でもニューヒーローが誕生することを望む。そりゃ成功するときもあれば失敗することもある。控えに甘んじている選手はレギュラーを獲ることも大事だが、まずはそこからのスタートだ。


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引っ張れ!

2011年、ガイナーズ始動。それに伴い、新主将と新副主将が発表された。新主将には中村真崇選手、副主将には国本和俊選手が選ばれた。正直、意外だった。主将には国本選手が選ばれると思っていたからだ。大穴で西森選手も予想していたが、見事に外れた。


中村選手といえば、去年の7月2日の優勝決定戦の高知戦、優勝を決定づける同点ホームランを思い浮かべる人が多いと思う。ファンの人だけでなく、ベンチにいた選手までも興奮の渦に巻き込んだ一発は忘れられない。本人にとっても生涯忘れることのない一打であっただろう。


一方で人一倍悔しい思いもしてきた。昨年のドラフト会議当日、NPB球団から指名を受けた大原、上野両選手に挟まれる形で中村選手の姿があった。あの場に居たということは指名される可能性もあったということだろう。しかし結果は指名漏れ。ドラフト会議から2日後のグランドチャンピオンシップの石川戦、この試合で中村選手は3三振。これがショックの大きさを物語っていたように思える。


主将になって、チームをまとめる立場にもなり、苦労も増えることだろう。それでも昨年と同じく、人々を喜ばせる一発をおかわりしていってほしい。そして、自分の手で夢への道しるべを切り開いていってほしい。


人々の記憶に残る活躍もあり、骨折もしたし、屈辱にもまみれた。天国と地獄を味わった昨年。連覇に向け、讃岐のおかわりくんが先頭に立つ。あのドラフト会議のどこか寂しそうな姿は絶対に忘れない。今年こそ!


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