YELL 後編 | 野球放浪記『百聞不如一見』

YELL 後編

(前編からのつづき)


しかし、そんな彼にも試練が訪れます。7月終わりごろから極度の打撃不振に陥ってしまいます。それはシーズン終わるまでずっと続くことになります。


毎度のように「バッティングの調子はどう?」って聞くと、返ってくる答えはいつも「よくないです」でした。ヒット3本打った試合でも「(復調の)きっかけがつかめてません」と言ってたこともありました。


端から見てても、明らかに調子が悪いと感じることもありました。特に8月後半なんかは、いつスタメンを外されてもおかしくない状態でした。


それでも西田監督は彼をずっと1番で使い続けてきました。プロに行けたのも、監督のおかげであり、感謝しなきゃいけないところではあります。



前期ホーム最終戦となった徳島とのダブルヘッダー。2試合目は徳島のバレンティン投手がリリーフ登板して150キロを超える球を連発していました。


試合後、そのことについて聞いてみました。


「いや、速くなかったですよ。145も出てなかったんじゃないですか?ぼくはそう感じましたね。」


「いきなり150キロとか出たからスピードガンがバグったんかと思いましたよ」とぼくが返すと


「そうですよ!バグってたんですよ!アハハ…」


彼は見事に笑い飛ばしました。ぼくも一緒になって笑っていました。このダブルヘッダーは2試合とも負けてたんですけどね。そんなこともありました。


バレンティン投手すみません…。アイランドリーグの投手の中で一番速い球を投げるのはあなたです。


こんなぼくにでも彼は偽りなく本音で話してくれました。自分の意見がはっきり言える男でした。彼は人一倍負けず嫌いでした。自分の結果が出なくてチームも負けた日には悔しさを思いきり表に出したこともありました。そして誰よりもファンの人たちを大事にする男でした。彼はプロに向いてる性格を併せ持っていました。


ガイナーズ亀澤からホークス亀澤へ。


これからが本当の勝負です。
西田監督から「1年目が勝負だという気持ちで臨んでほしい」とハッパをかけられました。


でもまずは一歩ずつです。がむしゃらさを忘れず次の目標をクリアしてほしいと思います。


こうやって振り返るとあっという間でした。本音を言うと、ガイナーズ亀澤をもう少し見たかったという気持ちはあります。正直、寂しさはあります。まるでそれは卒業式にも似た感覚でした。


でもプロから指名を受けて、最高の形でガイナーズを卒業できてよかったです。成長していく姿を楽しみにしています。


サヨナラは悲しい言葉じゃない

それぞれの夢へと僕らを繋ぐ YELL

ともに過ごした日々を胸に抱いて
飛び立つよ 独りで 未来(つぎ)の空へ


いきものがかり『YELL』の歌詞の一部です。


ちなみに亀澤選手の登場曲は『LOVE PHANTOM』でした。ぼくもB'zは好きです。B'zの曲じゃないことをお許しください。


鷹のように力強く大きく羽ばたけ!


がんばろう日本!


“Dash on” NORI