パッティングストロークはドライバーやアイアンショットと違い個性豊かなストロークの
 
プレーヤーを拝見することができます。
 
まさにパットは「型なし」といわれる所以です。
 
ドライバーやアイアンと違って、パットは基本的にボールが空中を飛球しません。
 
ですから、気流の影響がない為、ラインをイメージして芝や傾斜を読み、タッチがイメージでき
 
れば、打ち出し方向へ打ち出すことに集中すれば良いのです。すなわち、パターのフェースが
 
インパクトの際に打ち出したい方向にスクエアに向いてさえすれば、どんなストロークの姿で
 
あっても良いともいえます。

一方で、ドライバーやアイアンと比べて、パターはその形状が様々です。
 
パターのフェースの芯は、他のクラブに比べてかなり小さくなります。
 
しかも、その芯の位置には個体差があります。

ドライバーやアイアンの場合には、その物理的形状はそこそこ近似するので、与えるべき
 
エネルギーにはある一定の効率性パターンが認められます。

それでも、プレーヤーの身体側の自由度が多様なので、同じ効率性であってもスイングに
 
よって違ってきます。パターの形状自体が様々だということは、物理的な挙動も様々です
 
から、それをコントロールする身体側の自由度を加味すれば、パターのストロークの姿は
 
まさに千差万別であるべきといえます。
 
パターの基本的な構え方として、手首を使えないようにすることが重要です。

手首を使ってしまうと、方向性も距離感も安定しません。

そのため、手首を固定して肩を縦に回転させる、ショルダーストロークが主流となっています。
 
実際にパターヘッドを振り子のように動かすのは手ではなく肩です。

ですから、ストローク式のパットは、ショルダーストロークが基本とも言われています。

両手はパターヘッドの動きを邪魔しないようにグリップに当てているだけで、もちろん手首の
 
角度も変えません。

したがって、当然のことながら「手打ち」という感覚はまったくありません。
 
ただ、パッティングスタイルには、ストローク式以外ではタップ式といわれる打ち方もあります。

この打ち方といえば、全盛期の青木功プロが典型で、リストを使ってダウンブロー気味に
 
パチンと打たれます。

この打ち方で、アメリカPGAツアーで日本人として初優勝、ヨーロッパ、オーストラリアツアーで
 
も優勝。さらにアメリカのシニアツアーでも9勝を挙げた青木プロのパッティングは、
 
「アオキ・マジック」と驚嘆されたものでした。 

 青木プロの両手、特にリストの感覚は人一倍優れていたのだと考えられます。

青木プロはボールをとらえる強弱だけで距離を打ち分けていたのですから、その意味でも
 
青木流タップ式は、まさに「手打ち」というしかありません。

アマチュアゴルファーにはお勧めできませんが、それでも世界を制したのは事実です。

これが、「パットに型なし」と言われる代表例です。

基本に忠実なパッティングを目指すか、自分の感性を信じて「手打ち」を極めるか、それは
 
プレーヤー次第ですので、いろいろと構え方や握り方を試して自分だけのオンリーワンの
 
パッテイングスタイルを身につけてくださいね。