最愛のパンダだったタンタンが天国へと旅立った。


 あの子を知ったのは数年前。

 知った直後には心疾患が見つかり、その頃にはすでにかなりの高齢であったことからそう遅くないうちに別れの日が来るとは覚悟していたが、昨日その報せが届いてしまった。


 あの子を知った時は生きているだけで精一杯な毎日だった。 

 そんな先の見えない暗闇に一条の光を灯してくれたのがタンタンだった。 

 あの子の愛らしい仕草や表情に私の強張った心は何度癒やされたことか。 

何度励まされたことか。 


 昨日はタンタンの死を現実として受け止められなかったが、今朝新聞各社がタンタンの死を報道しているのを見て、ようやく実感が湧いてきた。 


あの子はもうこの世に居ないのだ。


 そしてとどめを刺したのはXでのアドベンチャーワールドからのタンタンへ向けた追悼文だった。 

同じパンダファミリーからの温かい文章を見て思わず涙がこぼれた。


そして実感した。


 ああ、あの子は本当に逝ってしまったのだ。


 そう思っては何度も溢れる涙を堪えながら仕事をした。 


 帰りの電車でXを開くとTLはタンタンに関するポストで溢れかえっていた。

 その全てからタンタンへの愛情が感じられて、それはもう嬉しくて。 


 ああ、あの子はこんなにもたくさんの人に愛されている。 

虹の橋を渡ってなお、皆の心の中に居る。 


 そう思うとまた涙が流れた。

タンタンをめぐる優しい世界が嬉しくて涙が流れた。


 しっかり生きねば。

 あの子から貰った全てを力にして生きなくちゃ。 


 タンタン、私のモノクロの世界に彩りを与えてくれてありがとう。 

ゆっくり休んでね。 


 じゃあ、またね。