昼間電車を乗り継ぎ銀行へ行って来た。
途中ある建物の前を通り過ぎる時、その建物を見ない様に顔を正面に向けて速足で通り過ぎた。
その小さな古ぼけたビルの一室に就労支援センターがある事を知っているからだ。
あと10ヶ月後。
ベストシナリオは今の会社に残る事だが他のシナリオも立てておく必要があるだろう。
こういう事は極力考えない様にしている。
考えると現実になりそうで恐いからだ。
それでも現実を見なければならない。
それでも現実も見なければならない。
障害者雇用も考えなければならない。
そう思ってハローワークの精神障害者の求人を開いてみた。
事務の仕事を探してみる。
とは言え職種は枝分かれして多くあり自分が出来そうなものは「データ入力」これしかないと思い東京都全体で検索する。
月収16万~高いと30万まである。
しかし月収16万がほとんどだった。
しかも実際はデータ入力以外の業務も伴う場合が殆どでそうなってくるともう事務から選ぶ事は出来ない。
そう思って、そもそも私はハローワーク以前に就労支援で適正を考えて貰う必要に思い当たった。
初めての障害者雇用。
人の助けなしでは右も左も分からないだろう。
そう思って就労支援を検索する。
うちからなるべく近い所で探してみる。
数件ある様だ。
ここで思ってもみない事態に愕然とした。
就労支援センターは精神障害と知的障害に分かれていたのだ。
私はどちらを選べばいい?
精神障害ははっきり言ってないも同然だ。
そして精神障害に知的な問題は伴わないためこちらを選べば困難な仕事しか選べないに決まっている。
では知的障害なのか。
認めたくないがそうなのか。
そこでまたある事実に気が付く。
私は療育手帳を持たない。
この状態で知的障害の就労支援センターに行けるのか?
どちらにも行けない。
境界知能の人間はどこへも行けない。
ずっと前から解っていたこと。
でも今日それを久々に突き付けられた。
昼間窓を開けて仕事をしていたら夏の匂いがした。
木々や空が彩度を増しているのが解った。
私の心は知的障害グレーゾーンである境界知能に相応しく、今モノクロに染まっている。