雑に紹介すると実写版『童夢』

低予算?で派手な特撮など無いですが、特別な能力を手に入れてしまった者達の破滅を静かにじっくりと描いています。

知らない監督さんでしたが、けっこう有名な作品で脚本を書いていた人らしいです。

新しい才能に出会えた感じ。

子役さん達の演技も素晴らしい。


ある一家が団地に越して来るところから物語は始まります。

主人公は9才の少女イーダ。

自閉症の姉アナがいますが、両親が彼女の世話で忙しくあまりかまってもらえず、時にはアナの世話を押し付けられるため煩わしく思っています。

新しい場所でもなかなかそこにいる子供達に馴染めずにいましたが、そんなイーダにベンという少年が声をかけてきます。

やがて2人で遊ぶようになったイーダに、ベンが面白いモノを見せようか?と。

イーダに小さな石を持たせて、肩の高さから落とさせます。

しかし、何も起こらず。

ベンは重過ぎたと言って、違うものをイーダに持たせます。

今度は、彼女の落としたものは途中で方向を変えて、別の場所に飛んでいきます。

この時はまだ、これが精一杯。

一方イーダに放っておかれたアナはアイシャという少女と出会います。

何故かアイシャは、言葉を言えないアナと会話することが出来ました。

やがて一緒に遊ぶようになる子供達。

そんな中で、ベン、アイシャ、そしてアナの特別な能力は徐々に強くなっていきます。

強くなっていく能力は歯止めが効かなくなり、ベンが事件を起こしてしまいます。


超能力に目覚めた子供達。

それは彼等の家族や周りの人間を巻き込む悲劇を生みます。

それでも大人達に言うことが出来ず、イーダやアイシャは自分達で解決しようとするのですが……


大きなSFX等を使わずに超能力を表現する上手さは素晴らしいものがあります。

似た描写はこれまでの映画でもありましたが、完成度が高いと思います。

また地味な作風と言いながら、いくつかの場面はやたらとかっこ良かったりします。

クライマックスの静かな対決シーンと、近い将来への予感を感じさせるちと恐ろしいエンディング。


☆☆☆☆☆