実は2、3年前の作品。

存在は知っていたものの、お金や時間の都合もあって見逃していました。

それがまさかのDC版での1夜限りの限定公開。

監督さん&助監督さんが来場しての生コメンタリー付き上映という、初見の人間にはノイズになるかもなスタイルですが、これを逃せば2度と見れないかもしれないレア興行。

行くしかないか。


もともとが押井守さんが脚本を書いて、本広克行さんが監督すると。

しかも、タイトルが『ビューティフル・ドリーマー』

あの名作を思い出させますが、映画の宣伝文句では、某大学の映画研究会が曰く付きの脚本「夢見る人」の映画化に挑むというストーリー。

ああ、そっちね。と思いつつ数年が経過。

そしていよいよ上映当日。


心配していた生コメンタリーは、映画のストーリーがシンプルなせいかあまりノイズにならず、素直に楽しめました。

そして、肝心の映画。

三流大学のポンコツ映画研究会(実在の部がモデルだったら、ゴメンなさい)の部員のサラが、昨夜部室の夢を見たと言って部室内を探し回って段ボール箱に入った数冊の脚本と16ミリフィルムを発見します。

さっそくフィルムを再生する部員達ですが、その映像の綺麗さに感心するものの作品は途中で途切れていました。

そこでサラが、

「私達でこの作品を完成させない?」

も一つやる気のない部員達を何とか巻き込んで映画撮影は動き出します。

そこで撮影される作品こそが、あの『うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー』そのまんまなストーリーでした。

アニメの名場面が、低予算の自主映画で異常なまでの拘りで再現されることについつい笑ってしまいます。


『うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー』への愛。

映画を撮影することへの愛が溢れた、とても大好きな作品になりました。

贅沢を言うのなら、エンディングで「愛はブーメラン」が流れれば最高。


☆☆☆☆☆


アラもありますが、今の時点では愛しさが勝ります。

そして、監督のお話ではこれまで上映されたのもソフト化されたのも短縮版とのことですが、断然DC版での再上映とDVD化を願います。