江田照が大野の尻蹴り騎乗停止
2006年7月2日(日) 8時56分 日刊スポーツ

 1日の福島競馬で江田照男騎手(34)が、他騎手に対し粗暴な行為を働く事件が起きた。
JRAによると問題があったのは5Rの新馬戦。ヨシトップランに騎乗した同騎手は、
スタート直後外へよれた大野拓弥騎手(19)のショウワモダンから不利を受けた
(大野は戒告)ことに端を発し、レース後の検量裁決室(パトロールビデオ室)で大野の尻を蹴った。
 この行為が競馬施行規程第126条20号(騎手として非行があったもの)に抵触するとして、
同騎手は2日から8日まで開催2日間の騎乗停止処分となった。今日2日に騎乗予定だった
8クラはすべて乗り替わり。ラジオNIKKEI賞のアマノトレンディーは柴田善騎手が手綱を取る。

川田騎手のように毎週成長を続け、将来が嘱望される若手がいる一方で、
このような事件をおこしてしまう騎手がいるのは非常に残念である。

あらゆる事件は必ずそれを引き起こす原因がある。
斜行したくらいケツを蹴られていては、若手騎手たちのケツは真っ赤になってしまう。
大野君のケツを蹴ったのは結果であり、そこにいたった原因を検証してみたい。

①不振
江田照男騎手
関東リーディング&勝利数&勝率
2001年 8位 61勝 9%
2002年 9位 58勝 8%
2003年 8位 60勝 8%
2004年 14位 33勝 5%
2005年 17位 27勝 4%
2006年 28位 6勝 2%(7/3現在)

ちなみに被害者の大野騎手(2年目)
2005年 ?位 11勝 4%
2006年 15位 15勝 5%(7/3現在)

2003年までは、いたって順調に中堅騎手として活躍していた。
ところが、2004年にガタンときた。
30歳を過ぎて体力が落ちてきたのかもしれないし、(現在34歳)
何か他の理由があるのかもしれないが、その理由を今私は知らない。
事実だけを言えば、彼は関東リーディング28位であり、
今現在の時点で、
吉田(3年目)・塚田(2年目)・大野(2年目)・津村(3年目)
・丹内(3年目)・小島(2年目)・田辺(5年目)
という新人達の後塵を拝している。

②新人の台頭
吉田・大野騎手が、彼が人気を背負って負けた馬から乗り替わり
勝利をあげている。
競馬というのは無数の要素が絡まりあっているのであるから、
同じ馬が同じレースをすることはできないし、一つのレースで
騎乗の巧拙を判断することなどできない。
しかし、自分の負けた馬で結果を残されてしまったことで、
江田騎手が若手に対する危機感を持っていることは推測できる。

③事件の影響?
今年1月に田中剛が調整ルーム浴場で江田照に粗暴な行為を行っている。
二人の間に何が起こったのかは不明だが、彼の心情に何らかの影響を
与えた可能性は否定できない。

【結論】
以前、後藤騎手が吉田豊騎手に木刀による暴力事故を起こした際は、
騎乗停止4ヶ月という重い処分を受けたのに対し、今回は実効2日の軽い処分で
あり、現場が検量裁決室であることから、実際は他愛もないことであると思われる。
実際は「ふらふらすんなよ!」と軽く蹴ったくらいではないだろうか。
しかし、「足蹴にする」行為は「上下関係がある」からおきることであり、
「レースに不正がある」と疑われる行為である。また、同じレースに出場し、
「足蹴にした」事実を黙認した場合、「脅迫」を認容することであり、
次レース以降の公平性に疑問が生じる。
JRAの処分は至って適切なものであると考えられる。
江田騎手は、この事件を反省し、初心に戻る気持ちでがんばってもらいたい。

ちなみに、被害者の大野騎手はケツを蹴られてからというもの、
[3.2.2.4]の大活躍。
蹴られて気合が入ったみたいだ。