$Noriの脱heavyな生活のすすめ-hachi

金曜ロードショーで「HACHI」を見た。「ハチ公物語」のハリウッドリメイク版であり、リチャード・ギア自身も「Shall We Dance?」のイメージが強いため、正直興味が薄く映画館には観に行かなかった作品。しかし、実際全部を見てみると号泣してしまった。ハチ公の物語は知っていたし、演出も光るものは少なかったのだが、実際犬を飼っている自分の今の生活と重ねあわせることによって、自然と涙が溢れてきた。少し昔までは、本や映画で泣く人のことを疑問視していたのだが、涙もろくなったのは責任が増したことによる疲労からくるものか、歳のせいなのか。

映画の中では、犬が色盲ということから犬の視点の時に白黒の映像になっていたので、非常にわかりやすかったし、実際に犬もこんな風に世界を捉えているのかと感心した。一方で映画の中ではCGが所々使われていた。季節の移り変わりを木の葉で表現したりと、個人的に好きな表現方法であったが、CGを使っているせいで、アクションなどでよく見られるハリウッド特有の「現実からの遊離」が浮き彫りになってしまった。実写だともっと味のある様に感じたと思うが。そして最後ハチ公が息を引き取るシーンはタイタニックなど様々な映画で用いられてきた「夢(天国)での再会」。最後に再会できて本当によかった(涙)。話の最初と最後で時間軸をずらした回想シーン(今回であれば孫が学校で説明するということ)があるのもタイタニックと同じ話の進め方だ。

脚本は言わずもがな、犬が飼い主への忠誠を持ち続けるというものだ。脚本、いやノンフィクションだから事実とでも言おうか、それが素晴らしいので、ハリウッド版になろうが演出が手薄になろうが、心に響くものがある。最後に天国での再会があれど、最後がハッピーエンドで終わらない話はアメリカ人には好まれないと思うが、果たして彼らの「HACHI」への感想はどのようなものなのだろうか。正直興味がある。もしウケが多少なりとも良いのであれば、「フランダースの犬」も実写で見てみたいものである(勿論、洋画で)。

実際のハチ公は飼い主ではなく駅の周辺にあった焼き鳥屋が目的だった説があるが、自分の犬と接しているとしっかりと忠誠を持ってくれていると思う。これはあくまで一方的な主観であるが、犬は人間のパートナーというのは間違っていない。3年前まで犬を飼うなんて想像もしていなかった自分が、既に犬無しの生活は考えられない。

この「HACHI」は映画館に観に行かなかったことを後悔した。なるべくDVDやTVではなく、映画館に足を運んで映画を観るようにしよう。そして、今まで以上に犬に愛情を注いでやろう。

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