大学の写真部では、伝統的に4月に新入生写真を撮影し現像引き伸ばしプリントし、希望の新入生に販売(時代的にはもうカラーの時代になってたがモノクロームの写真を売ってた)することで収益を稼ぎ、スタジオで年一回撮影会を実施していた。

 

 当時はスタジオは基本的にプロ向けで基本照明やスタジオマンがついてきた。六本木スタジオを使っていた。OBの人で青年紙(グラビアやヌード写真も載っているもの)の編集をやってる人がいてその人にお願いしてモデル事務所を紹介してもらい、写真部のみんなでヌードモデルを撮影した。今みたいにフリーでモデルしてる人、それもアマ向けの人はいなかったと思う。また、いきなり素人がモデル事務所に依頼しても信用してもらえなかっただろう。そのOBの人の力だと思う。大学の文化祭では堂々とその写真を展示してた。

 

 それ以外はポートレートは撮る機会なかったが、卒業後一緒に写真展やっていたある女性に頼んで九十九里浜行ってモデルをやってもらった。その代わりお昼代と、撮った写真を何枚もプリントして自家製の写真集を作ってあげたと思う。印画紙代と結構な工数がかかっていた。なんとなく気になっていた人だったのだと思う。その後それっきりで何もなかったけど。

 

 最近では、もちろんそんな若い知り合いもいないし、おじさんが依頼したら気持ち悪がられるだろう。お金をだせば気軽に何人もの魅力的なモデルさんをきちんとしたスタジオで撮影できるので、とてもいい時代になったなあと思う。ツイッターなどで見ると、相互無償で、などという契約もあるらしい。被写体の人は外に公表して自分を売り込めるきちんとした自分の写真を撮ってもらってそのアウトプットが欲しいのだと思うから、それなりの撮影技術と感性の人に撮ってもらえることを期待すると思うと、むしろ有料のほうが楽だと思う。若い人が有料モデル雇うお金もったいないということであれば知り合いとか、友人とかから探せばいいのに、と思う。自分のきれいな姿を残したいという女性は多いと思うから。完全な素人から自然な表情を引き出すのは難しいのでより勉強にもなる。最初からパーフェクトなポートレート目指す必要ない。