ご訪問ありがとうございます。
今日も読んでいただけることに感謝、感謝です。
ノロウイルスのおかげで今日も自宅に(トイレに)引きこもらざるを得ない状況です。
昨日から食事は腸に負担をかけないために、お粥と素うどんだけです。
味付けの濃いマクドナルドのハンバーガーでも食べたいと、トイレの中で夢想していました。笑
そんなわけで、今日はマクドナルドの株価について考えてみます。
マクドナルドといえば、言わずと知れたハンバーガーチェーンの最大手です。
とりあえず有価証券報告書で定量的な部分、企業の数字をざっとみてみました。
最近の決算である平成24年12月期と、その4年前である平成20年12月期の決算を比べてみると、
売上高はH20年 406,373百万円 → H24年 294,710百万円
約27%減少
経常利益はH20年 18,239百万円 → H24年 23,770百万円
約30%増加
純利益はH20年 12,393百万円 → H24年 12,870百万円
約4%増加
貸借対照表から財務健全性も少し確認しましたが、さすがは天下のマクドナルド、有利子負債はほとんどなく、手元の資金も十分でした。
さて、本当にザックリですが、ザックリみただけでもかなり際立っているのが「経常利益率(=経常利益/売上高)」の変化です。
経常利益率 H20年 4.5% → H24年 8.1%
1.8倍になっています。
この4年間でかなり利益の出る体質に変化したようですね。
最近の期間限定のハンバーガーが高付加価値で利益率が高かったのだと思います。
利益の出やすい企業になったということは、投資家としては嬉しい変化ですね。
マクドナルドと言えば、一昔前はハンバーガー1個80円で売っていたときもありました。
当時のこの戦略が大失敗だったようで、利益率が下がったのはもちろんのこと、ハンバーガーとは安いものだ!という強烈なイメージを植え付けてしまいました。
今回の高付加価値バーガーの投入はこの失敗に学んだものなのでしょうね。
次に、数字に表れない部分、定性的な側面からマクドナルドについて考えてみます。
高付加価値バーガーを積極的に投入していた昨年に比べると、最近の動きはどうでしょうか?
メニュー表の廃止
60秒以内に提供できなかったらハンバーガーの無料券
お客様をアルバイトスタッフとしてスカウト、なんていうのもあります。
メニュー表の廃止はお客様がレジの前で考える時間を短くして、回転率をあげるための工夫だそうです。
60秒以内の提供というのも、スタッフに向けた回転率向上の施策と考えられます。
商品の「利益率」を高くして利益が増えたから、今度は回転率を上げてさらに利益を増やす戦略なのでしょう。
(お客様のスカウトは・・・ちょっと意図が分かりません。。)
私見ですが、最近のマクドナルドのキャンペーンは失敗ではないかと思うのです。
理由は、「ビジネスはヒト」という視点が欠けているからです。
メニュー表の廃止によって、不便に感じた人も少なくないはずです。カウンター越しのメニュー表示は視力が悪いとかなり見えにくいですし、全てのメニューがのっているわけでもありません。
仮に回転率が速くなったとしても、お客様に不便を感じさせるのが正しい経営判断とは思えません。
お客様はヒトであり、ヒトは感情で動きます。ビジネスで、お客様のプラスの感情を引き起こすことができれば、収益もプラスになるのだと思います。マイナスの感情を持たれてしまうと、お金も逃げていきます。
60秒以内の提供については従業員の満足度を下げてしまうという点で、やはり「ビジネスはヒト」という視点が欠けています。
常に「もっとテキパキ働け!」と無言の圧力がかかっているわけですからね。
ほんの数秒提供時間を早くしたのと引き換えに、ぐちゃぐちゃのハンバーガーが出てきたのではお客様の満足度までさがってしまいます。
ハンバーガーを食べているお客様をスカウトするのは・・・アルバイトスタッフ採用の効率化とでもいうのでしょうか?
だとしたら、本当に企業本位の最悪なキャンペーンです。
以上、定量的・定性的な側面からマクドナルドについて考えてみました。
決算情報についてはH24年12月期のものなので、最新とはいえあくまでも「過去」の情報の分析です。昨年までは良好な決算だと思います。
定性的な側面からは、ちょっとおかしな部分が目立ちます。これは今期の決算に影響してくる部分ですので、予測という観点からはかなり重要視しなければならない部分です。
そんなわけで、ここまでで分かったことを総合的に考えてみると、このまま「ビジネスはヒト」の視点を欠いたことばかり続けてると、長期的にみてそんなによい決算は期待できないのかな、といったところです。
しかし、私が予測しなければならないのは「決算」ではなく「株価」の動きになります。
決算の結果というのは株価を形成する一つの要因でしかありません。
もう少し視野を広げて、「株価」に焦点を当てて考えてみます。
マクドナルドの株といえば、「株主優待」が人気なことで有名です。
株主優待目当てで保有している個人投資家も多いと思います。
ということは、この株主優待の存在は株価の動きにも影響してくるのですね。
これはマクドナルドに限らず、一般的に言えることですが株主優待のある銘柄は、優待のない銘柄に比べて極端に安くなることは少なくなります。
優待があるおかげで値下がりにストッパーがあるイメージです。
マクドナルドは特に優待が人気なので、とりわけこのストッパーは有効に機能するのではないかと考えられます。
最近のマクドナルド株の値動きをみてみると、相場全体の上昇トレンドに乗って、マクドナルドも大きく値上がりしています。
先ほど述べた通り、今後の決算についてはあまり楽観できませんので、今後は株価も下がっていくのではないかと考えたくなるのですが、
・相場全体が強い上昇トレンドにあること
・優待ストッパーが作用すること
を考えると、下落に賭けるのは危険です。
うーむ・・・確信のもてないときは様子見が一番です。
マクドナルドの経営方針、株価の動きともに今後の動きを楽しみながら見させてもらいます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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