南極の状況が尋常でない。2020年代に入り南極が相次いで最高気温を更新する中で、最近、鳥インフルエンザの変種が発見され、ペンギンが絶滅する懸念も出ている。 海氷面積が3年連続で歴史上最も少ない水準を記録している。
さらに、北極でも異変、世界の気象に大きな影響を及ぼすとされる北極の氷が急激に減少している。
今月も猛暑と豪雨の極端化が起きている。
南アジアはモンスーンの季節に入り、わが国も豪雨時期が年々早まっていて、警戒が必要な季節になる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《中東・アジア》
★9日、ドバイには大雨やひょうなどが降り、砂漠の都市が海と化した。この日、ドバイには6時間で50㍉の雨が降ったが、これは国家全体の年間降水量（120㍉）のほぼ半分水準となる。ドバイは下水施設が整っておらず洪水に弱いこともある。
★10日、インドネシアの西スマトラ州で、豪雨による洪水や土砂崩れなどが広範囲で発生し、これまでに26人が死亡した。 また、6人の行方が分からなくなっている。 3万軒を超える住宅が浸水したほか、複数の橋が損壊したり、道路が寸断したりする被害も相次ぎ、およそ75.000人の住民が避難を余儀なくされている。
《北米・中米》
★アメリカ東部の海沿いの街、ニューハンプシャー州ハンプトン。 ここでは、10日に134mm以上の雨が降り、街は海水で水浸しになった。
アメリカ・メーン州の海岸では激しい波で 建物の壁が破壊され、屋根の一部が欠けた。
☆14日、アメリカ中部のオハイオ州やケンタッキー州など複数の州を冬の嵐が襲い、竜巻も発生した。100棟以上の建物が被害を受けた。
☆25〜27日、メキシコで山火事が発生。乾燥した空気と強風に煽られて、国内32州のうち半数を超える18州で森林火災が延焼中。
現在95件の森林火災が発生しており、その被害面積は26日の時点で3049ヘクタールに及ぶという。
中部山岳地帯にあるノガレスでは、炎が広大な農地を焼き払い、家屋や家畜が焼失した。
☆パナマ運河の閘門システムのための主要水源は雨水に頼るガトゥン湖だが、昨年の深刻な干ばつにより水位は低下した。昨年10月の降水量は、同月としては1950年以来で最低となった。
一方で、ガトゥン湖はパナマの総人口約450万人のおよそ半分に飲料水を提供している。限りある水源に対して、どちらも大切だが競合する需要のバランスを取ることが課題となっている。
《南米》
★10日、大雨が続いているボリビアの最大都市ラパスで、先週末にかけ洪水や地滑りなどの被害が相次いだ。
ボリビアでは1月に雨季に入って以降大雨が続いていて、これまでに50人近くが死亡したという。
3/21 続報、 続く大雨でラパス市内を流れる川が増水して氾濫した。ラパスと隣接するエル・アルト市に水を供給している10カ所の貯水池のうち8カ所で越水し、溢れた水が市内の低地にある地区で洪水を引き起こしている。
☆17日、ブラジルリオデジャネイロのグァラティバ地方で体感温度62.3℃を記録した。 同州の各都市でも体感温度が50℃を超えた。
ヒートドームの中心はアルゼンチン北部とパラグアイに留まっているが、ブラジル中南部に持続的な影響を及ぼして一部地域の猛暑は10日以上続く可能性がある。
北部のロライマ州では、過去25年間で最悪の干ばつ被害が拡大し、山火事も発生。異常高温は大規模な自然災害を引き起こしている。
中部では26日の24時間雨量が50㍉、週の半ばにかけて100㍉に達する見通し。
☆隣国のペルーでは雨が降らずに大規模な山火事が発生。ここは本来ならば水の豊かな湿地帯なだが、草木は乾燥し一気に燃え広がった。
《アフリカ》
☆22日南アフリカ最大の都市ヨハネスブルグが、前例のない水道システムの崩壊で、約600万人を超える人口に影響が出ている。 貧富を問わず、これほど深刻な水不足はこれまで経験したことがない。 日照りが貯水量を減少させている一方で、数十年間放置されてきたインフラの崩壊も大きな原因となっている。
★27日マダガスカルはサイクロンの直撃を受け、北部では橋や道路が流され、家屋が水没するなどの被害が出ている。
29日の時点で、18人が死亡4人の行方が分からなく、2万人あまりが避難している。 この数年、前例のない規模のサイクロンに襲われる一方で、過去40年間で最も深刻な干ばつにも見舞われ、数千人が飢餓状況に追い込まれている。
《欧州》
29日報、ポルトガルの首都リスボンを大雨が襲い、各地で洪水が発生。 しかし、隣国のスペインでは雨が降らず、貯水池や農地が干上がるなど干ばつの被害が拡大。