【書評】電子書籍の衝撃 | 飯島法久の毎日がプロジェクトマネジメント!

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電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)



皆様こんばんは!


さて、本日はこの前の連休で読んだばかりの本を、早速ご紹介致します。


Twitterでフォロー頂いている方は、私がこの本を入浴中に読んでいるつぶやきをご覧になったかも知れません^^


以前から注目していましたが、休みを利用して一気に読んでみました。


iPadやKindleの登場により、注目を浴びている電子書籍。

皆様は実際に購入してみたことはございますか?



私は、iPadで実際に電子書籍を購入して読んでいます。


でも、まだiPadの場合は、まだ自由に購入出来るような仕組みが整備中のため、大画面で読みやすいというメリットはあるものの、利便性はまだこれからといったところでしょうか。


でも、何れこのような電子書籍リーダーも、一般的に普及していくのは間違いないでしょう。


電子書籍の登場によって、具体的にどこへどのような影響が出るのでしょうか?

それをフリージャーナリストの佐々木俊尚さんが、鋭い視点で分析しています。


因に、佐々木さんは私がTwitterでフォローしている人でもあります。

彼のつぶやきは、私にとってとても有益な情報源の一つです。

こちらにも、佐々木さんの本の書評を書いていますので、併せてお読み頂けると幸いです。



それでは、早速本書のポイントを分析して参ります。




◎電子書籍が一般化するための条件

電子書籍は注目されているものの、まだ一般化するには少し時間がかかりそうです。

佐々木さんが、電子書籍が一般化されるための条件として挙げているのは、以下の4つです。

1.電子書籍リーダーの普及
2.本を購入し読むために最適化されたプラットフォームの登場
3.本のフラット化
4.電子書籍と読者のマッチングモデルの構築



1と2については、次第に整備されはじめています。
特にKindleなんかは、Amazonがワンストップで提供しているサービスですので、
1と2を兼ね備えた、電子書籍に最適化された端末としてひとつリードしています。

日本ではまだあまり普及していませんが、
Kindleの発売はまさに出版業界に大きな衝撃を与えました。

最大の欠点だった日本語にも対応し、価格も手頃なので、これから日本でも次第に普及が始まっていくでしょう。


この前、交流会でお会いした方が、最近買ったということで見せて頂きましたが、とても使いやすそうでした。(すげー欲しい!)


でも、日本の場合はiPhoneが売れまくっているので、
iPadの方が注目されていますよね。

KindleとiPadの比較については、次項で触れます。


この本は今年の4月に出版されましたが、本日2010年9月22日の時点では、3と4の問題については、まだこれからが本格化するフェーズです。


因に、本のフラット化とは、
有名作家と無名のアマチュアとの差が無くなっていく
ということです。

そして、4のマッチングの問題。
現状では電子書籍は黎明期ですので、読者が読みたい本をマッチングさせる機能は
日本ではまだ不充分です。


米国ではKindleからAmazonの本が直接買えるので、
既にこの仕組みが充分機能しています。

既にAmazonでは、電子書籍の売上が紙を本を抜いたとの報道もありましたよね。

(参考)電子書籍の販売数、ハードカバー本を上回る 米アマゾン



日本でもいち早くこの体制が整備されれば、Amazonの一人勝ちになるのは明白でしょう。

日常的にAmazonから本を注文する方は、日本でもたくさんいますからね。

でも、日本の出版社やIT企業も黙って手をこまねいているわけでは無さそうです。




◎KindleとiPadの違いとは?

佐々木さんが、本書で重点的に説明している部分とは少しポイントが外れますが、たぶん皆様が興味があるであろう、KindleとiPadの違いについて比較してみたいと思います。


<Kindleの良いところ>
1.簡単な購入インターフェース
2.膨大な数の書籍の購入が可能
3.複数のデバイスで読書が続けられる



<iPadの良いところ>
1.汎用機としての魅力
2.iPhoneユーザーとの親和性
3.大きく操作性の高い画面



比較すると、電子書籍プラットフォームとしては、
明らかにKindleの方が有利なことが分かるでしょう。

しかし、iPadに有利なところがあるとすれば、
それはiPhoneのヒットという要素。

(参考)iPhone ユーザーの半数が「iPad」の購入も検討



ここからは私見ですが、
Appleが早急に電子書籍プラットフォームを整備して、iPhoneユーザーを囲い込めば、
日本ではiPadが勝利する可能性は充分高いと思います。


実は、私はiPadを買う前に、
色々なサイトから情報収集をしました。


直感的には、「必要ない」とは思ったものの、
「iPadは大きいiPhoneではない!」
との結論に達し、検証を含めて購入を決断したのです。

(参考)iPadは大きいiPhoneなのか?


じゃあ、iPadって結局何なの?

それについては、別の機会にコラムなどでお話することとします。

今日は、飽くまで書評ですので。。。




◎電子ブックプラットフォーム戦争

KindleやiPadのような電子書籍のプラットフォームの出現によって、
一番戦々恐々としているのは、間違いなく出版業界です。

何故ならば、出版社の中抜きが発生するからです。

今までの出版社は、著作権を扱う所謂権利ビジネスでした。

印税という仕組みによって、出版社は一定の利益と権威を保って来たのです。

(参考)印税の仕組み

でも、電子書籍プラットフォームを利用して出版する人が増えると、その仕組みは全く機能しなくなります。

要するに、自分だけで出版する力のある人は、
わざわざ出版社を通さなくても出版出来るので、高い利益率を実現することが出来るというメリットがある。

電子書籍の方がコストを押さえることが出来ますので、低価格を実現出来、
読者にとってもメリットがあります。

ブランド力を兼ね備えた著者にとっては、とてもメリットのある仕組みですが、出版社にとっては全く有り難くないことです。

Amazonが作り出した仕組みは、まさにパラダイムシフトです。


最近、私は出版社の方が参加する交流会などによく参加して意見交換するのですが、やはりかなり現状は厳しい、と仰っていました。


そろそろ動き出しますが、今のところ様子見のところが多いですね。


しかも、プレイヤーとしては、通信キャリアやIT企業なども参入して来るので、まさに電子書籍プラットフォームの競争は、とても熾烈なものになるでしょう。




ここまでは、この本の前半部分になります。

後半では、以下のような今後の電子書籍の未来に向けての佐々木さんならではの仮説が書かれていて、とても興味深かったです。



特に、これからはアマチュアでもその気になれば出版出来るチャンスはありますので、将来本を書いてみたいと考えている方は、一回読んだ方が良いと思いますよ^^



出版業界が長い佐々木さんならではの、とても参考になる意見が述べられています。


◎セルフパブリッシングの時代へ

◎日本の出版文化は何故ダメになったのか

◎本の未来




因に、私は出版を将来の仕事の一つとして視野に入れて、日々練習のために書評を書いています★



電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)








本日も最後までお読み頂き、誠に有り難うございました!


皆様との良きご縁に深く感謝申し上げます m - - m



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