バラナシから次の町へ列車で向かいます。

バラナシ・ジャンクション駅

今回はスリーパークラス。

前回よりインドを感じられる席です。

今時、列車のチケットはアプリで買います。

僕たちも必要かと思ってスリランカでSIMフリーのスマホを購入しました。

8年前は毎回わざわざ駅まで行って、外国人専用窓口で買えるのか買えないのかドキドキしながら買ったものだったけど、なんて便利な時代なんだろう。。

そういえばUberなどの配車サービスも各国で充実していて、声をかけてくるトゥクトゥクにぼったくられることも、値段交渉に奮闘することも、ほとんどなくなりました。

情報はスマホ一つで簡単に手に入り、無駄が省け、より安心安全に旅する事ができるようになりました。

その反面、宿に置いてある旅人が残した手書きのノートから情報を拾ったり、行き当たりばったりの苦労やハプニングという名の旅のロマンも、味わう事が減ったような。

なんとなく寂しさみたいなものを感じてしまう僕は、もはや古い人間なのだろう。。

あ、話が逸れました。

さぁ、僕たちはばっちりアプリでチケット購入済みです。

スリーパー席の車列にはこの写真みたいにS-10とかって書いてあるんだけど僕たちのチケットには

RAC25、RAC26って書いてあって、

これどこに乗るんや！！と駅員に尋ねました。

駅員はちょっとわからないようで、ほかの駅員を呼びました。

なんで駅員がわからんのやって言う疑問は、インドではそう、ナンセンス。

駅員が3人増えたところで、

「これ、おまえチケット取れてへんで！！ウェイティングやん！キャンセル待ち25番目と26番目やで！」って。

ええっ！？

いやいやいや、そんなはずはない！

購入する時ちゃんと席はまだあったはずだ！！

あ、ちなみに席が埋まっても購入できるんですね。その場合WL（ウェイティングリスト）ってなっててキャンセル待ちの状態になります。

そのまま乗れなかった場合、お金は払い戻されるらしい。

まぁとにかく駅員が言うにはチケットにはそうなってるらしい。

いや、えぇー！！それまじ困るから！！

え！？これ乗れないの？ねぇ！乗れないのー！？

僕は困った顔をして見せた。

35歳のおじさんの困った顔は、それはもう本当に困った感丸出しなのだ。

すると、オッケーオッケーと言って

先に座ってたインド人をどかして、乗り込み口のすぐ入ったとこの席に座っていいよって。

おおー！乗れるんか！？

え、座ってたインド人大丈夫なの？どこ行ったの？まぁいいや、座ってていいんやな！！

困った顔してみるもんやな！

でもここさ！

便所の真ん前やん！！糞尿の臭いすごぉぉ！！

糞尿の臭いを嗅ぎながらこれから12時間耐えられる自信がない！

まぁでもひとまず乗れたんか！？よくわからんけど乗っていいんやな。

電車が動き出すと、なぜだかすぐに周りのおっちゃんたちが中の方に行けよと言ってくれました。

「空いてるとこ座っていいよ！！ほら行った行った！」と言っている感じでした。

え！いいんですか！サンキューサンキューと言って、

実際は何て言ってるかわからないから自分たちに都合のいい解釈をすることにしました。

これ席空いてるんかな？

なんか全然よくわからんけど糞尿の臭いのしないところで寝るとこゲットだぜ！！

さよならバラナシ

ホッとした。

バラナシの日本食レストラン、メグカフェで駅弁を注文しました。

「よくわかんないけど乗れて良かったね」と僕らは駅弁をもぐもぐしていました。

しかし、喜んでいられたのも束の間でした。

出発から3時間くらい経ち、消灯して寝床もしっかり作って寝に入った頃、

インド人がちょんちょんと僕をつつき、

「ここ俺の席やで」と！！

なんと僕が乗っていた席は途中で乗ってきたインド人の席だったのです。

これはわかりやすく言うと、名古屋行きのぞみで品川から乗って指定席券持ってないのに空いてる席座ってたら、新横浜から乗ってきた人の席だったー！的な感じです。

やったらあかんやつです！！

でもなんかインドではみんな適当なとこ座ってる感じです。

ああ、それはそうと、どうしよう僕の席がありません。

奥様はセーフでした。セーフて！

いやでも僕たちここにいていいよって言われたんですよ。

すると辺りのインド人がざわつき始め、チケット見せてみ！席どこなん！？って聞いてきました。

あるインド人は、奥様の下の席のおっちゃんに、おまえそこどいてあげろよ！！そこおまえの席じゃないだろ！と、なんかちょっと揉め出しました。

おっちゃん濡れ衣！！

はわわわわ！これやばい！やばいやつや！！

僕は正直に、「いや、実はわかんないだよね席。チケットこれなんだけどね、ウェイティングとか言われたんだよ。でもね、駅員さんが乗っていいよって！空いてるとこ使っとけって言ったんだよ！」

すると1人のインド人が、僕らのチケットを見ながらちゃちゃっとなにかを調べてくれました。

「席ちゃんと取れてるで！！S11の43と45だよ！」と！！

もう1人のインド人が「隣やん！俺案内したるやん！ついてきな！！」と！！

濡れ衣のおっちゃんも、良かったな！みたいな感じでニコッとしてくれました。

インド人、やさしーー！！！

案内してくれた後、朝6時に着くからね！困ったら隣の車列にいるからなんでも言ってこい！と。

めちゃ良い人…。

後から分かったんだけど、席取れてることがメールで来てたし、他の画面にちゃんと席載ってた。。

完全に僕らの無知のせいでめちゃめちゃ迷惑かけたわけだけど、それなのに本当みんな親切にしてくれてニコッと笑いかけてくれて、本当に感動しました。

正式な自分たちの席で横たわって、しばらくその事を考えていました。

インド、めちゃいい国やん。。

僕の目頭は熱くなったのでした。

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列車に乗れない！？