「待っているだけじゃ、願いは叶わないよ。」

そんな言葉を聞くことがあります。

でも。

「無意識のうちに待っていたら、願いが叶った。」

ということがあるようです。






お正月明けくらいのことです。

今から半世紀くらい前に発行された『ムーミン』シリーズ全巻をいただくことができ、喜んで読んでいたときのことでした。

勤務先で突然、わたしに鶴の一声。

「子どもさんに向けて、文章を書いてほしい。」

物語、説明文、生活文、観察文、詩、日記、手紙、随筆……

最初は、何かの間違いではないかと思いました。

びっくりして動揺し、勤務先のいろんな人に話を聞いてもらいました。

そして、

「やりたい!」

という強い気持ちが生まれました。

恥ずかしながら、忙しい日々の中での「物書き」になるので、思うようには進みません。

書いても、全てが採用されるとは思いません。

いつまで書かせてもらえるかもわかりません。

それでも。

心のどこかで、「言葉を紡ぎたい」という灯りは灯ったままなのでしょう。

いつか、この『たのしいムーミン一家』にあるような、

小さな雲に乗って楽しむムーミントロールたちや、旅立っていくスナフキンや、ムーミンママのハンドバッグが見つかったお祝いのパーティーなどの、

「たのしい」物語を書くことができたらな……と思ったりしています。






「このあいだ、ものおきをそうじしていたら、大きなノートを一さつ見かけたのよ。あなたのわかいころのことを書いて、本にしたらどう?考えてごらんなさいよ。」

風邪をひいたムーミンパパに、ムーミンママが提案し、パパは「思い出の記」を書き始めます。

そんなものも織り混ぜて、わたしも書き続けることができたらいいな……と思います。



ありがとうございました。
のり